日本大百科全書(ニッポニカ) 「水亜鉛土」の意味・わかりやすい解説
水亜鉛土
すいあえんど
hydrozincite
亜鉛の二次鉱物の一つ。亜鉛鉱石となる。中性~アルカリ性の条件下で、おもに閃(せん)亜鉛鉱の分解によって生成された菱(りょう)亜鉛鉱などの再分解によって生成される。多くは土状で、自形は扁平(へんぺい)板状であるが、自形結晶が見つかることはきわめてまれであり、かつ小さい。接触交代鉱床(スカルン型鉱床)、炭酸塩鉱物(多くは方解石)を脈石とする鉱脈などの酸化帯中にみられ、水亜鉛銅鉱、菱亜鉛鉱などとともに産する。紫外線で淡青~ライラック色に発光する。多量に産する純粋なものは、二価亜鉛(Zn2+)の殺菌作用を利用した眼薬として用いられる。水にわずかに溶け、甘い味がする。命名は化学組成にちなむ。
[加藤 昭 2017年5月19日]
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