菱亜鉛鉱(読み)リョウアエンコウ(その他表記)smithsonite

精選版 日本国語大辞典 「菱亜鉛鉱」の意味・読み・例文・類語

りょう‐あえんこう‥アエンクヮウ【菱亜鉛鉱】

  1. 〘 名詞 〙 炭酸亜鉛を主成分とする鉱物。結晶は菱面体をなし、三方晶系。灰白色ないし暗灰色、半透明でガラス光沢がある。ふつう、ぶどう状・鍾乳状や腎臓形の塊で産出。亜鉛の原料鉱石。

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最新 地学事典 「菱亜鉛鉱」の解説

りょうあえんこう
菱亜鉛鉱

smithsonite

化学組成ZnCO3の鉱物。三方晶系,空間群, 格子定数a0.4651nm, b1.4977, 単位格子中6分子含む。菱形,犬牙状結晶などあるがまれ,結晶面は湾曲していることがある。多くは微細粒状結晶のブドウ状,鍾乳状などの塊。白~灰~黄~褐~緑~青~紫~ピンク色など変化に富み,まれに無色。透明~半透明,ガラスないし真珠光沢。劈開}に完全。硬度4~4.5, 比重4.43。薄片では無色,屈折率ω1.850, ε1.625, 一軸性負。Znの位置は,Mg, Ca, Mn, Fe, Co, Ni, Cdと置換して同構造の方解石グループを形成。希塩酸には発泡して溶解。主に閃亜鉛鉱を含む鉱床酸化帯に広く産する。名称は,米国ワシントンにあるスミソニアン協会の創設基金の提供者であり,化学者・鉱物学者の英国人J.Smithson(1765~1829)にちなむ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「菱亜鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

菱亜鉛鉱
りょうあえんこう
smithsonite

亜鉛の炭酸塩鉱物の一つ。日本では亜鉛鉱床の酸化帯中に、おもに閃(せん)亜鉛鉱の分解物として少量を産する程度であるが、大陸地域で石灰岩苦灰岩を交代して生成されたものは、鉱層をなし、大鉱床を形成することがある。自形は菱面体、あるいはこれを基調とする立体。方解石系鉱物の一員として多くの共通した性質をもつが、比重がかなり大きい。岐阜県神岡鉱山(閉山)のような接触交代鉱床スカルン型鉱床)に産出例が多く、鉱脈型の亜鉛鉱床の産出例は少ない。英名はイギリスの鉱物学者スミソンJames Smithson(1765―1829)にちなむ。

[加藤 昭 2018年12月13日]


菱亜鉛鉱(データノート)
りょうあえんこうでーたのーと

菱亜鉛鉱
 英名    smithsonite
 化学式   Zn[CO3
 少量成分  Fe,Mg,Mn,Ca
 結晶系   三方
 硬度    4~4.5
 比重    4.40
 色     白,淡緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    三方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菱亜鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

菱亜鉛鉱
りょうあえんこう
smithsonite

三方晶系の方解石族の鉱物。 ZnCO3 。灰白ないし暗灰,緑,黄,褐色で半透明,ガラス光沢を呈する。ぶどう状,鍾乳状,腎臓状の集合体をなす場合が多い。比重 4.0~4.4,硬度4~4.5。しばしば亜鉛が鉄(II)で置換されている。閃亜鉛鉱など亜鉛鉱物の酸化,または石灰質岩の変成などにより2次的に生じる。

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