翻訳|gangue
鉱床の中に産する鉱物のうち、採掘されても利用されない鉱物をいう。一般には金属鉱床に産する石英、方解石、蛍石(ほたるいし)、石膏(せっこう)などの非金属鉱物をさすことが多いが、黄鉄鉱や硫砒(りゅうひ)鉄鉱などの金属鉱物もしばしば脈石として扱われる。また石英などは一般的には脈石であるが、それらを目的として採掘される場合は鉱石である。このように鉱石となる鉱物と、脈石となる鉱物とは鉱床により異なり、厳密な区別があるわけではない。脈石はそれ自身は無価値であるが、選鉱や製錬方法の選定には脈石の種類や粒度などが関係してくるので、鉱石の価値に影響することがある。また鉱床のタイプごとに特定の脈石を伴いやすいため、鉱床探査の手掛りとして利用されることも多い。
おもな脈石鉱物には石英、方解石、菱(りょう)マンガン鉱、重晶石、ざくろ石、緑泥石、蛍石、黄鉄鉱などがあり、また鉱脈の中に含まれる岩石片も脈石とよばれる。
[茂木 睦]
鉱床学および鉱床探査技術においては,鉱体の中に含まれる無価値な鉱物を指し,選鉱学および選鉱技術においては,鉱石中に含まれる無価値な鉱物を指す。鉱石の中心は,採掘作業などで鉱体の周辺の母岩その他の岩石が多かれ少なかれ混入しており,後者の定義による脈石は,前者の定義に比して範囲が広い。おもな脈石鉱物としては,石英,長石,方解石などがある。選鉱とは目的とする鉱物を脈石から分離し,原鉱を精鉱と廃石とに分けるための物理的操作である。選鉱が可能であるためには,目的鉱物と脈石鉱物とは粒子として分かれていなければならない。この状態を単体分離という。逆に相互に単体分離していない鉱物の集合体粒子を片刃(かたは)という。選鉱における粉砕の目的の一つは,片刃粒子を単体分離することにある。
執筆者:井上 外志雄
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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