知恵蔵 「水都大阪2009」の解説
水都大阪2009
大阪市街には、木津川、堂島川、土佐堀川、道頓堀(どうとんぼり)川など多くの川が流れており、古来より京都とつながる「水の道」として、舟運を大きく栄えさせてきた。特に、豊臣秀吉が大阪城を築城の際、川につながる水路を町中にめぐらせたことが都市としての基礎をつくり、のちに「天下の台所」と呼ばれるほどの経済発展を大阪にもたらした。
そのかつての繁栄にちなみ、「川と生きる都市・大阪」をテーマに、水環境と経済活動を共生させた都市づくりを世界に発信しようと立ち上げられたのがこのプロジェクト。運営母体である「水都大阪2009実行委員会」の会長には、平松邦夫大阪市長が就任している他、橋下徹大阪府知事もこのプロジェクトを積極的にPRしている。なお、総合アドバイザーは世界的な建築家・安藤忠雄(大阪府出身)が担当している。
期間中は、川に囲まれ、大阪の新都心として整備が完了した中之島を中心に、多彩なイベントが催される。水辺をイルミネーションや願いごとを書き込んだ絵馬タイプのあんどんで飾る「灯(あか)りプログラム」、川床で涼風とグルメを楽しむ「北浜テラス」、船着場に季節の野菜や果物などを積んだ船がやってくる「水都朝市リバーカフェ」、船旅とまちあるきを楽しむ「クルーズ&ウォーク」など、観光客や市民参加型のイベントが用意されている。
実行委員会では、この52日間だけで、全国から100万人の来訪者があると予想している。
(高野朋美 フリーライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報