永定河(読み)エイテイガ(英語表記)Yǒng dìng hé

デジタル大辞泉 「永定河」の意味・読み・例文・類語

えいてい‐が【永定河】

中国山西省に源を発し、東流して河北省に入り、天津海河かいがに合流する川。長さ650キロ。上流桑干河そうかんがといい、北京ペキン付近では盧溝河ろこうがともいう。日中戦争発端になった盧溝橋はこの川に架かる橋。ヨンティンホー

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精選版 日本国語大辞典 「永定河」の意味・読み・例文・類語

えいてい‐が【永定河】

  1. 中国、山西省北部の寧武県に発し、河北省天津で渤海(ぼっかい)に注ぐ川。古来、河の流れが定まらないため無定河と呼ばれたが、康熙(こうき)帝が改名。上流を桑干河(そうかんが)北京付近では盧溝河(ろこうが)ともいう。この川にかかる橋、盧溝橋北方で盧溝橋事件が発生した。ヨンティンホー。

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改訂新版 世界大百科事典 「永定河」の意味・わかりやすい解説

永定河 (えいていが)
Yǒng dìng hé

中国の華北地方を流れる河川海河水系の五大河川の一つ。盧溝河とも呼ばれる。源を山西省北西部の管涔山に発し,上流は桑乾河と呼ばれる。恒山山脈に平行して,その北側を北東流し,河北省に入って官庁峡谷に達する。これより下流を永定河と呼び,南東流して,北京西郊を南下,天津において海河に流入する。長さ650km,流域面積5万0800km2。上流部は黄土高原を流れ,含泥量は黄河に次いで多いので〈渾河〉〈小黄河〉の異名がある。下流部は天井川をなし,河道が移動して,流路が定まらないため〈無定河〉と呼ばれていた。清代〈永定大堤〉を築き流路が一定することを願って〈永定河〉と改名したが,さっぱり効きめがなかった。解放後官庁峡に多目的ダムを建設し,洪水を制御するとともに北京の上水道の水源池とし,発電にも利用している。また1970年下流に永定新河と呼ぶ放水路を掘削し,洪水を流し込んで天津市北塘付近で渤海に流入させる工事を完了した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「永定河」の意味・わかりやすい解説

永定河
えいていが / ヨンティンホー

中国の河川。海河の支流。上流は河北(かほく/ホーペイ)省懐来(かいらい)県官庁(かんてい)付近で洋河と桑干(そうかん)河に分かれる。前者はモンゴル高原の南辺、万里の長城付近に源を発し、河北省北西部を東流、後者は山西(さんせい/シャンシー)省北部の管涔(かんしん)山に発し、北東流して官庁で前者に合流し、以下を永定河と称する。太行(たいこう/タイハン)山脈にうがたれた峡谷を経て南東流し、北京(ペキン)市の南西部を貫いて天津(てんしん/ティエンチン)で海河(かいが/ハイホー)に合流する。長さ650キロメートル、流域面積5万平方キロメートル。黄土地帯を経由するため沖積土の運搬量が多く、かつては華北平原に出てからの流路は不安定で、多くの分流があった。無定河、渾河(こんが)、小黄河などの名はそれにちなむ。清(しん)代に安定を図って堤防が築かれ、1954年には官庁峡にダムをつくるなど治水工事が進められて、下流域は今日、華北(かほく/ホワペイ)平原の重要な農業基地となっている。

[秋山元秀]

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百科事典マイペディア 「永定河」の意味・わかりやすい解説

永定河【えいていが】

中国,河北省にある海河の五大支流の一つ。長さ約650km。旧名桑乾河,盧溝(ろこう)ともいう。古来氾濫(はんらん)が多く無定河と呼ばれたが,康煕年間改修して名を永定河と改めた。北京南方に盧溝橋が架橋されている。現在は大規模な治水工事により洪水のおそれはなくなった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「永定河」の意味・わかりやすい解説

永定河
えいていが

「ヨンティン(永定)河」のページをご覧ください。

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