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永小作権 えいこさくけんErbpacht

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

永小作権
えいこさくけん
Erbpacht

小作料を支払って他人土地で耕作または牧畜をする用益物権 (民法 270) (→小作 ) 。第2次世界大戦後の農地改革により永小作地の多くは強制買収の対象とされたため,現在残っている永小作権はきわめてわずかであり,また農地上の永小作権については,農地法により民法の規定が修正を受けている。永小作権は設定契約によって取得されるのが通常であり,その存続期間は 20年以上 50年以下とされる (民法 278) 。賃借小作権と異なり,特約のないかぎり,地主の承諾なしに譲渡,転貸することができる (272条) 。

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大辞林 第三版の解説

えいこさくけん【永小作権】

長期間耕作または牧畜をするために、小作料を支払って他人の土地を使用する権利。江戸時代、開墾した土地を永代耕作できるという慣行上の権利があったのを、民法では二〇年以上五〇年以下に限り、他人の土地を使用することができる物権とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

永小作権
えいこさくけん

小作料を払って他人の土地を耕作または牧畜のために使う権利(民法270条~279条)をいう。永小作権は契約により成立することは少なく、多くは明治維新前に設定され、主として荒れた土地の開墾などに由来したもので、安い小作料で永久に耕作することを認められた権利である。永小作権は長期にわたる強い権利(物権)であることから、地主はその設定を嫌がることもあって、現在では小作といわれるものはほとんど賃貸借によっている(賃貸借小作権)。そのうえ、第二次世界大戦後の農地改革にあたって、民法施行前からの永小作権も民法施行後満50年の1948年(昭和23)7月15日に消滅し、その農地は、原則として政府が買い上げて永小作人に売り渡したことにより、現在ほとんど存在しなくなった。[高橋康之]

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世界大百科事典内の永小作権の言及

【永小作】より

…特殊小作慣行の一つで,永代小作,永世小作,永久小作などともよばれる。その主要な特徴は,小作期間が無期限もしくはきわめて長期であること,地主は小作人側に特別の不都合がないかぎりその土地を引き上げることができないこと,小作人はその権利を他人に売買譲渡できること,小作料が一般に低額であること,その土地への公租公課を小作人が負担する場合もあることなどであり,永小作権は普通小作権に比べて強固であった。その成立原因は多岐にわたるが,そのおもなものとして,開墾や新田開発に際して小作人の労費が投下された場合,土地改良が小作人の労費によって行われた場合,所有権の移転の際に設定された場合,永年にわたって継続された小作が永小作として認定された場合,地主と小作人の特別な関係に基づく場合などがあげられる。…

【小作制度】より

… こうした前近代的性格をもつ小作制度に対して,小作人の権利を主張する動きも強まった。小作内容の面では,永小作権の設定がそれである。永小作権は物権として扱われ,登記されることもあったから,多少豊かな小作人は金を払って永小作権を設定して,地主の小作解消に対抗した。…

※「永小作権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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