江家文庫跡(読み)ごうけぶんこあと

日本歴史地名大系 「江家文庫跡」の解説

江家文庫跡
ごうけぶんこあと

平安時代以降、文章道を家学として朝廷に仕えた大江氏歴代蔵書を収めた書庫。平安後期、大江匡房の時に設けたものという。「兵範記仁平三年(一一五三)四月一五日条には、

<資料は省略されています>

とあり、「本朝世紀」同日条にも

<資料は省略されています>

と、五条坊門小路南烏丸小路東付近を火元とした大火で、因幡堂などとともに焼失した記事がみえる。

これによれば、大江家の書庫は「江家文庫」または「千草」と称し、「兵範記」では「樋口町尻」、「本朝世紀」では「樋口南西洞院東」とあるから、樋口ひぐち小路(現万寿寺通)の南、西洞院にしのとういん小路(現西洞院通)の東、町尻まちじり小路(現新町通)の西に、方一町の区域をしめていたと想定され、現在の月見町南側・八幡町東側・材木町西側・布屋町全域・西錺屋町北側が、その地にあたると考えられる。


江家文庫跡
ごうけぶんこあと

平安時代以降、文章道を家学として朝廷に仕えた大江氏の歴代の蔵書を収めた書庫。

続古事談」に「江家の書籍は昔より焼うせす 匡房卿二条高倉にくらを造りてふみともを置ける」とあり、二条高倉付近に大江匡房が設けたと伝える。これは現観音町もしくは松尾町付近にあたる。

「続古事談」は、更に「京中火災をそるへしと人申ければ、江ノ師ノ云けるは日本国うせすは此文うすへからす。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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