江田穴観音古墳(読み)えたあなかんのんこふん

日本歴史地名大系 「江田穴観音古墳」の解説

江田穴観音古墳
えたあなかんのんこふん

[現在地名]菊水町江田 清原

菊池川の左岸諏訪原すわばる台地南端に築かれた円墳。国指定史跡。この古墳の西北方約一〇〇メートルには前方後円墳の若宮わかみや古墳、西南方約一キロには江田船山えたふなやま古墳を中心とする清原せいばる古墳群がある。台地の緩斜面に築かれているため墳丘の裾部が不明瞭な点があるが、現況では直径一七―一八メートル、高さ約三・五メートルの円墳で、墳頂部の標高は二七・三五メートルを測る。内部主体はほぼ南に向けて開口する複室の横穴式石室で、石材は巨大な阿蘇溶結凝灰岩の切石を使用している。石室全長は約九メートルを測り、巨石墳の部類である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「江田穴観音古墳」の解説

えたあなかんのんこふん【江田穴観音古墳】


熊本県玉名郡和水(なごみ)町江田にある古墳。県北部の菊池川下流の左岸にある諏訪原(すわのはる)台地の南端、標高約27mに所在する円墳。台地の斜面を利用した墳丘のため、規模は明確ではないが、直径が約17m、高さ約3.5mで、墳上に直径約7mの平坦面がある。石室は羨門(せんもん)をほぼ南に向け、前室・後室からなる複室の横穴式石室で、石材はすべて凝灰岩の切り石を用いてみごとに構築されていることなどから、1944年(昭和19)に国の史跡に指定された。発掘調査によって金環、ガラス製勾玉(まがたま)、金銅製杏葉(ぎょうよう)、須恵器(すえき)の破片が検出されたことなどから、6世紀後半に築造されたと考えられている。すぐ近くに和水町歴史民俗資料館がある。JR鹿児島本線玉名駅から産交バス「江田」下車、徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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