池谷‐関彗星(読み)いけやせきすいせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「池谷‐関彗星」の意味・わかりやすい解説

池谷‐関彗星
いけやせきすいせい

1965年(昭和40)9月19日朝、池谷薫(いけやかおる)(1943― )と関勉(1930― )がほぼ同時にうみへび座で発見した彗星。この彗星は極端に太陽へ近づく長周期(約900年)の楕円(だえん)軌道を描き、1965年10月21日、太陽表面から47万キロメートルの距離をかすめたが、そのとき2個に分裂した。これとほとんど同じ軌道を巡る別の彗星の出現が過去300年間に11回記録されており、これは大昔一つだった大彗星が分裂を繰り返しているもので、彗星の構造と進化を知るため重要である。太陽観測衛星SOHO(ソーホー)」は、太陽のすぐそばをかすめ、または太陽に落ち込む小彗星を1996年以後2年間半で60個ほど検出した。このなかには池谷‐関彗星と同族とみられるものが多数含まれる。

[斉藤馨児]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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