池谷村(読み)いけだにむら

日本歴史地名大系 「池谷村」の解説

池谷村
いけだにむら

[現在地名]岩美町池谷

小田おだ川西岸に位置する。対岸は黒谷くろだに村、南に支村楽賀ささか(現在の佐坂)がある(因幡志)。室町時代後期には楽々賀ささか名が成立しており(寛正三年八月四日「政家宛行状」田中文書)、楽賀は遺称地と考えられる。元亀元年(一五七〇)五月晦日の山名豊国感状写(譜録)によれば豊国が秋里大蔵丞の「岩井池谷合戦」での戦功を賞している。

藩政期の拝領高は二五三石余、本免は四ツ。藪役銀四匁一分余を課されており(藩史)、伊丹氏・簗田氏・後藤氏の給地があった(給人所付帳)。「因幡志」によれば家数二五。安政五年(一八五八)の村々生高竈数取調帳では生高三一九石余、竈数二六(うち段取帳後の別家一・医師一)


池谷村
いけのたにむら

[現在地名]鳴門市大麻町池谷おおあさちよういけのたに

大谷おおたに村の西、阿讃あさん山脈南麓の村。中央部やや南寄りをほぼ東西撫養むや街道が通り、街道筋の大石おおいしに一里松が植えられていた。南西部で同街道から分れ南の三俣みつまた村に至る道もあった。宝永五年(一七〇八)写の天正(一五七三―九二)の池谷村検地帳(鳴門市役所蔵)では高四一三石余、うち田方二四町七反余・高三三九石余、畠方・居屋敷合せて六町五反余・高七四石余とあり、正徳五年(一七一五)写の慶長(一五九六―一六一五)の検地帳(同市役所蔵)にも同様の数値が記される。慶長二年の分限帳には池ノ谷・池谷村とみえ、一〇〇石が森九一郎、二〇〇石が滝弥左衛門、一三石余が益田勝兵衛の知行分。正保国絵図には池谷村とあり、高四一三石余。寛文四年(一六六四)郷村高辻帳では田方三三九石余・畠方七四石余、芝山と注記される。


池谷村
いけだにむら

[現在地名]山南町池谷・奥野々おくのの

東は大河おおか村、南は篠山川を隔てて南嶋みなみじま村。文明一一年(一四七九)一一月吉日の玉巻重方示置文(久下信生家文書)、天文一二年(一五四三)一二月二七日の久下重像段銭日記(同文書)、永禄年間(一五五八―七〇)の公方普請用脚米算用状(同文書)に近隣の岡本おかもととともにみえる。永正六年(一五〇九)久下政光が山地新屋にや(現柏原町)名主百姓に売渡しているが、この山地の東限は「池谷方ノ谷河」であった(一一月一一日「久下政光等連署山地売券」田路村文書)


池谷村
いけたにむら

[現在地名]西区櫨谷町池谷はせたにちよういけたに狩場台かりばだい二―三丁目・糀台こうじだい一―三丁目

櫨谷川中流域に位置し、西は長谷はせ村。慶長国絵図に村名がみえる。正保郷帳によると田方二三五石余・畑方五六石余、「はへ山」あり。明石藩領押部組に所属。享保年間(一七一六―三六)の「明石記」によると高二九一石余、東西三町・南北一町。池二六・井四・川堤三・立藪・自分山四・野山二。天保郷帳では高三五五石余。小祠は梵天森・大歳森、八幡宮(現春日神社)がある。天台宗万願まんがん(現存)は天承年間(一一三一―三二)願西が開基。


池谷村
いけだにむら

[現在地名]芳井町池谷

佐屋さや村の南にあり、西は井山いやま村。寛永備中国絵図では山崎家治先知とあり、高四〇六石余。正保郷帳では幕府領で枝村に、くも村・なか村・二合村が載る。延宝五年(一六七七)の検地帳(後月郡誌)では古検反別五七町八反余とあり、田方二八町一反余・分米二六一石余、畠方五三町一反余・分米一九五石余、屋敷八反余・分米八石余。紙漉役銀一七匁(三束四帖分)・栗年貢銀一匁五分(六升分)・渋年貢銀六分六厘(一斗一升分)を上納、茶一千一三六株・楮五千五一八株・漆一七本の栽培がみられる。


池谷村
いけだにむら

[現在地名]魚津市池谷

かど川右岸の山地にあり、北東は北山きたやま村、東は坪野つぼの村。寛文一〇年(一六七〇)の村御印によると草高一二〇石・免四ツ九歩、小物成は山役二七匁・蝋役二匁(三箇国高物成帳)。貞享元年(一六八四)に四九石の検地引高があり、一方文化一四年(一八一七)など二度の手上高があって天保一一年(一八四〇)の打銀高七五石(「高免帳」杉木家文書)


池谷村
いけだにむら

[現在地名]岡山市福谷ふくたに

いそ村の北に位置する高原谷間の村。寛永備前国絵図に村名がみえ、高二一石余。「備陽記」によると田畠二町八反余。元禄(一六八八―一七〇四)頃の手鑑(則武文書)では直高二三石余、安藤孫九郎の給地。家数六・人数三七、牛四・馬一。文化年間の「岡山藩領手鑑」では直高は元禄期と同高で、安藤多左衛門の給地。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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