沢村田之助(3世)(読み)さわむらたのすけ[さんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沢村田之助(3世)」の意味・わかりやすい解説

沢村田之助(3世)
さわむらたのすけ[さんせい]

[生]弘化2(1845)
[没]1878.7.7.
歌舞伎俳優。5世沢村宗十郎の次男として生れ,安政6 (1859) 年3世田之助を襲名。翌7年 16歳の若さで立女方となる。幕末の江戸歌舞伎界で人気を博し,毒婦役などを得意とした。慶応1 (65) 年壊疽 (えそ) におかされ,アメリカ人ヘボンの手術を受けて両手両足を切断したが,そののちも舞台に出,一時沢村座を興した。

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世界大百科事典(旧版)内の沢村田之助(3世)の言及

【義足】より

…義足の材料はおもに木であったが,戦闘で手足を切断された負傷者を救う技術として発達し,16世紀ころには金属でも作られるようになった。日本では,1868年(明治1)に歌舞伎俳優3世沢村田之助がアメリカに義足を注文し,最初の本格的な義肢使用者となった。文学では,《宝島》のシルバー船長,鯨の骨を義足にした《白鯨》のエイハブ船長などに見るとおり,幾度も死地を切り抜けてきた強者(つわもの)を印象づけるための小道具として用いられる。…

【都鳥廓白浪】より

…1854年(嘉永7)3月江戸河原崎座初演。配役は忍ぶの惣太を4世市川小団次,花子実は松若を坂東しうか,吉田梅若を沢村由次郎(のちの3世沢村田之助)。謡曲《隅田川》の梅若伝説をふまえたお家世話狂言。…

※「沢村田之助(3世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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