法人企業景気予測調査(読み)ホウジンキギョウケイキヨソクチョウサ

デジタル大辞泉 「法人企業景気予測調査」の意味・読み・例文・類語

ほうじんきぎょう‐けいきよそくちょうさ〔ハフジンキゲフケイキヨソクテウサ〕【法人企業景気予測調査】

内閣府財務省共同四半期ごとに実施する調査。「判断調査」では、企業経営者に自社景況感売上高需要等に関する推移と見通しを尋ねる。回答者は良化・不変・悪化・不明に相当する四つの選択肢から選び、「良化」から「悪化」を引いて指数化する。「計数調査」では、売上高、設備投資等の実績や見通しを実数で尋ね、サンプリング調査として、母集団の推計値を算出する。政府短観

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共同通信ニュース用語解説 「法人企業景気予測調査」の解説

法人企業景気予測調査

資本金1千万円以上の企業を対象に景況感や売上高、雇用、設備投資といった動向を集計する経済統計。財務省と内閣府が共同で調査し、3カ月ごとに公表している。景況感が前の3カ月と比べて「上昇」したか「下降」したかを尋ねる。「良い」「悪い」で尋ねる日銀企業短期経済観測調査(短観)よりも変化の方向を把握しやすいとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「法人企業景気予測調査」の意味・わかりやすい解説

法人企業景気予測調査
ほうじんきぎょうけいきよそくちょうさ

企業活動を把握することで、経済の現状および今後の見通しに関する基礎資料を得ることを目的とし、四半期ごとに実施している調査。「財務省景気予測調査」(財務省)と「法人企業動向調査」(内閣府)を一元化し、財務省と内閣府の共管調査として2004年度(平成16)から始まった。統計法に基づく一般統計調査として実施されている。

 調査対象は、資本金、出資金または基金が1000万円以上の法人である。ただし、電気・ガス・水道業および金融業、保険業は資本金1億円以上の法人に限定している。

 調査事項は、対象企業自身の景気(貴社の景況)と国内の景気(国内の景況)、生産・販売などのための設備や従業員数の過不足感、設備投資のスタンスなどである。このなかでもっとも注目されているのが「貴社の景況」である。調査では、当期(調査時点の四半期)、翌期(翌四半期)、翌々期(翌々四半期)について、「上昇」「不変」「下降」「不明」の四つのなかから選択してもらう。そのうえで、調査対象全体に占める比率を計算し、「上昇」の比率から「下降」の比率を差し引き、「貴社の景況判断」BSI(Business Survey Index)として公表している。これは企業の景況の方向性を表す指標であり、この数値がプラスであれば先行きが改善、マイナスであれば先行きが悪化と判断される。

 法人企業景気予測調査と似通った調査に、日本銀行(日銀)の全国企業短期経済観測調査(短観)がある。ともに四半期単位の調査である。短観においても注目度がもっとも高いのは業況判断指数であるが、こちらは業況が「良い」と回答した企業の割合から、「悪い」と回答した企業の割合を差し引いて算出している。法人企業景気予測調査は、景況の方向(「上昇」が上回っているのか、「下落」が上回っているのか)に注目しているのに対し、短観は業況の水準(「良い」が上回っているのか、「悪い」が上回っているのか)に注目している点が異なる。

 なお、前身の「財務省景気予測調査」(財務省)は、金融・保険業を除く資本金1000万円以上の法人企業を対象に景況感などを調査し、この調査は1983年(昭和58)5月から2004年2月まで行われていた。「法人企業動向調査」(内閣府)は、資本金1億円以上の法人企業について、設備投資の実績、計画や経営者の景気と経営に対する判断や見通しを調査し、この調査は1984年6月から2004年3月まで実施されていた。これらの二つの調査を統合した本調査では、全業種を対象としているため調査規模が拡大し、標本法人数も増加している。

[飯塚信夫 2022年2月18日]

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