法定雇用率

  • ほうていこようりつ
  • ほうていこようりつ〔ハフテイ〕

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

障害者雇用促進法が企業行政などに達成を義務づけている、従業員のうち障害者を雇うべき割合。日本の働き手全体の人数に占める、働く意欲がある障害者の割合から計算される。今年4月から、身体障害知的障害に加えて精神障害も含めた計算になり、民間企業は2.0%から2.2%、国や地方公共団体は2.3%から2.5%に引き上げられた。

(2018-10-01 朝日新聞 朝刊 生活2)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

従業員数が一定以上の民間企業や国、地方自治体などに対し、障害者雇用率制度によって義務づけられた、障害者雇用の最低比率。全従業員数に占める障害者数の割合で障害者雇用率を算出し、これが法定雇用率を下回らないようにする。障害者雇用促進法が1976年(昭和51)に改正され義務化された。障害者と健常者の共生社会を実現するため、障害者雇用を義務化して就労による障害者の自立を促すねらいがある。法定雇用率は5年ごとに見直すことになっており、2018年(平成30)4月から、民間企業は従来の2.0%から2.2%に、国・地方自治体・特殊法人などは2.3%から2.5%に、都道府県教育委員会は2.2%から2.4%へとそれぞれ引き上げられた。なお、2021年4月までにそれぞれさらに0.1%ずつ引き上げられる。法定雇用率の適用範囲も従来の従業員50人以上から45.5人以上の事業所へと広がった。法定雇用率を達成できないと、従業員100人を超える事業主の場合、1人不足するごとに原則月額5万円を国に納めなければならない。厚生労働省は2003年から毎年、未達成で改善努力がみられない企業名を公表している。一方、法定雇用率を上回った従業員100人を超える事業所には超過障害者1人当り月額2万7000円の調整金(障害者雇用調整金)、100人以下の事業所には2万1000円の報奨金が支給される。厚生労働省はこの納付金と調整金・報奨金を組み合わせた「障害者雇用納付金制度」を活用し、事業主間の負担の公平を図ると同時に、障害者雇用率の引上げを目ざしている。

 法定雇用率の適用対象は当初は身体障害者のみであったが、1997年(平成9)の法改正で知的障害者が対象となり、2018年度から精神障害者も対象となった。障害者雇用率の算出に際し、重度障害者は1人を2人分としてカウントする。また、短時間労働の障害者は1人を0.5人分として計算する。精神障害者の雇用義務化は2018年度からであるが、それ以前でも雇用率算定にあたって障害者数に算入できる。

 厚生労働省によると2018年6月時点で民間企業が雇用している障害者数は53万4769.5人、障害者雇用率は2.05%で、ともに過去最高となったものの、法定雇用率達成企業の割合は45.9%である。法定雇用率の引上げや精神障害者の雇用義務化は障害者の雇用促進につながる一方、作業設備の整備や介助施設の導入など民間企業の負担が重くなるとの指摘もあり、産業界からは助成・支援策の拡充を求める声が出ている。

[編集部 2020年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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