法蔵比丘(読み)ホウゾウビク

世界大百科事典 第2版の解説

ほうぞうびく【法蔵比丘】

説経節の曲名。天満(てんま)八太夫正本で,刊行は延宝天和(1673‐84)ころ。他に佐渡七太夫の正本もある。中世の物語《阿弥陀本地》と内容は同じで六段構成。放浪の末,帝位に就いた千じょう太子(法蔵比丘)は別れた2人の若に窟(いわや)で再会する。后の阿閦夫人(あしゆくぶにん)の死を知って驚くが,それは太子の永い不在が原因であった。太子をなじり〈母を返せ〉と迫る若の嘆きに説経らしい情感が漂う。夫人は薬師如来に,太子は阿弥陀如来に,2人の若は観音,勢至菩薩に転生する。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

夏至

二十四節気の一つであるが,二至 (夏至,冬至) ,二分 (春分,秋分) の四季の中央におかれた中気。夏至は太陰太陽暦の5月中 (5月の後半) のことで,太陽の黄経が 90°に達した日 (太陽暦の6月 ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

法蔵比丘の関連情報