津照寺(読み)しんしようじ

日本歴史地名大系 「津照寺」の解説

津照寺
しんしようじ

[現在地名]室戸市室津

室津むろつ港の北岸にあるまる山にあり、空海開基と伝える。真言宗豊山派で、宝珠山真言院と号し、本尊延命地蔵。四国八十八ヵ所二五番札所。俗に津寺つでらといい、御詠歌に「法の船入るか出るかこの津寺迷う我が身を乗せてたまえや」とうたわれる。

室戸岬一帯に平安時代に開かれた真言宗寺院の一つで、「今昔物語集」(巻一七)に当寺の本尊地蔵菩薩に関する霊験譚が載る。その冒頭に「今ハ昔、土佐ノ国ニ室戸津ト云フ所有リ、其ノ所ニ一ノ草堂有リ、津寺ト云フ、其ノ堂ノのきノ木尻皆焦レタリ、其ノ所ハ海ノ岸ニシテ人里遥ニ去テ難通シ」とある。話は堂が野火にかかった時、小僧人家に知らせに来た。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「津照寺」の解説

津照(しんしょう)寺

高知県室戸市、室津港を見下ろす丸山に位置する寺院。真言宗豊山派。山号は宝珠山、院号は真言院。本尊は延命地蔵菩薩。平安時代、空海による開山を伝わる。四国八十八ヶ所霊場第25番札所。「津寺」とも呼ばれる。

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