流風(読み)リュウフウ

デジタル大辞泉 「流風」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐ふう〔リウ‐〕【流風】

後世に伝わり残る先人教化。先人の残した美風
風潮の広まること。流行の風潮。
凡俗の―に雷同して」〈福沢福翁百話
その流派ふう。また、その流儀の趣。

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精選版 日本国語大辞典 「流風」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐ふうリウ‥【流風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 流れ伝わってくる風。そよそよと吹いてくる風。微風。また、音などが風に乗って伝わること。
    1. [初出の実例]「流風所煽、延覃上国」(出典:日本詩史(1771)二)
    2. [その他の文献]〔張衡‐南都賦〕
  3. 風教の流布すること。また、風潮が広まること。流行の風潮。
    1. [初出の実例]「師傷其仁、弟子傷智、流風一成、滔滔弗反」(出典:訳文筌蹄初編(1714‐15)題言十則)
    2. [その他の文献]〔司馬相如‐難蜀父老〕
  4. 昔からの教化ののこっているもの。先人ののこした美風。教化の遺風
    1. [初出の実例]「古公居岐、流風遺俗有存者」(出典:峨眉鴉臭集(1415頃)虎笑渓住定林)
    2. [その他の文献]〔孟子‐公孫丑・上〕
  5. 流派独特の風(ふう)。また、一般に趣。
    1. [初出の実例]「この書、古を述、新を添、流風文采、おのづから奇なり」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)後)
    2. 「尾形光琳の流風(リウフウ)文晁の写生精神を搗き絆ぜた気韻の高い絵を」(出典:江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉六下)

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普及版 字通 「流風」の読み・字形・画数・意味

【流風】りゆう(りう)ふう

遺風。先人の残した美風。〔孟子、公孫丑上〕紂の、武丁を去ること未だ久しからず。其の故家俗、風善ほ存するり。

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