浦幌(読み)うらほろ

改訂新版 世界大百科事典 「浦幌」の意味・わかりやすい解説

浦幌[町] (うらほろ)

北海道南東部,十勝支庁十勝郡の町。人口5460(2010)。根室本線が通じ,町域の大部分白糠丘陵とそれに伴う台地からなり,町域の7割を森林が占める。十勝川河口部の沖積地と浦幌川などの河谷は畑地草地として利用されている。かつては馬産地として知られたが,1960年代には酪農を中心とする農業地帯になり,乳牛飼養のほかテンサイ,バレイショが生産される。南東部は太平洋に面し,海食崖が続いて砂浜はあまり発達していない。沖合サケコンブなどの好漁場で,厚内漁港の整備が進み,ホタテガイ養殖,サケの孵化(ふか)事業も行われている。第3セクターの浦幌乳業があり,地場の農林水産加工業が活発である。十勝太(とかちぶと)には海上保安庁のロラン航路標識事務所がある。石刃鏃や浦幌式土器が出土した新吉野台細石器遺跡は道史跡。
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