海洋観測船(読み)かいようかんそくせん

百科事典マイペディア 「海洋観測船」の意味・わかりやすい解説

海洋観測船【かいようかんそくせん】

海洋観測を行うための船。1000トン内外のものが多かったが,旧ソ連のクルチャトフ号(6800トン),ドイツのアルタイル号(4000トン),英国のディスカバリーII号(2100トン)などの大型船も利用されている。また,砕氷設備をもった旧ソ連のオビ号(1万2500トン)やドイツのポーラーシュテルン(1万1000トン),海上地磁気を測るため非磁気構造をもった旧ソ連のザリヤ号など特殊なものもある。海中への測器昇降のためのウィンチ,資料保存・解析室,実験室,コンピューターを備える。日本では気象庁の凌風丸(1200トン),海上保安庁拓洋(770トン),水産庁の開洋丸(2539トン),東京水産大学の海鷹丸(1387トン),東京大学海洋研究所の白鳳丸(3225トン)など。
→関連項目ジョイデス・レゾリューションマルチ・ナロービーム音響測深機

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海洋観測船」の意味・わかりやすい解説

海洋観測船
かいようかんそくせん
oceanographic observation vessel

海上を航行しながら,あるいは一点に静止して,海水海流水産物海底などの調査(→海洋観測)を行なう船舶(→特殊船)。海洋調査船ともいう。1872~76年に世界一周の海洋探査を行ない,海洋学の基礎を築いたイギリスチャレンジャー号が有名。日本のおもな観測船は,海上保安庁の測量船拓洋』,海洋研究開発機構の学術研究船『白鳳丸』,地球深部探査船『ちきゅう』など。海上で気象観測も行なう海洋気象観測船は気象庁所属。

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世界大百科事典(旧版)内の海洋観測船の言及

【海洋観測】より

…各種の現場測定が行われる。(2)海洋観測船 海洋の調査分析を行う施設をもち,自由に移動できるため海洋観測のもっとも重要なプラットフォームとなっている。各種の採水器採泥器,ネットによる採集や,GEK,BT(バシサーモグラフ),CTDによる流向流速,水温,塩分,溶存酸素などの現場測定,音波を利用した海底下の構造の遠隔測定(音波探査)を行う。…

※「海洋観測船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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