海翁寺(読み)かいおうじ

日本歴史地名大系 「海翁寺」の解説

海翁寺
かいおうじ

[現在地名]豊北町大字阿川 上市

阿川あがわの東、町はずれにあり、門前赤崎あかさき川が流れる。竜峰山と号し、曹洞宗本尊釈迦牟尼仏。

「注進案」には寺伝として、大内家の臣秋枝肥前守という者が国清こくしよう(跡地は現山口市)遁世、大永元年(一五二一)阿川に浄空じようくう庵を建立。その後毛利元鎮がこの地を領した折に黄竜山江見寺と号した。江戸時代に入り、阿川毛利氏がこの地に移封されると、二代元景が、玖珂くが(現玖珂郡玖珂町)に建立した竜峯山海翁寺を江見寺の旧跡に移し、大寧たいねい(現長門市)の二一世寛周守廓を招じて中興開山としたという。


海翁寺
かいおうじ

[現在地名]那智勝浦町勝浦

勝浦の中心市街地の東方、秋葉あきば山腹にある。臨済宗妙心寺派。心鏡山と号し、本尊は観音菩薩。寺伝によれば、法灯国師覚心の開山といい、近世には興国こうこく(現和歌山県由良町)末であった。また慶安(一六四八―五二)頃に没した心徹玄定が中興の祖という。「続風土記」に「村中にあり荘中に一派の寺十箇寺あり、浅野右近大夫より寄附の唐画六幅あり、今本寺興国寺の宝庫に納む」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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