液体温度計(読み)えきたいおんどけい(英語表記)liquid thermometer

  • liquid-filled thermometer
  • えきたいおんどけい ‥ヲンドケイ
  • えきたいおんどけい〔ヲンドケイ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルコール温度計水銀温度計のように,透明容器に入れた液体熱膨張に伴う液面の位置の変化を利用して温度を測定する計器。通常は内径一定のガラスの下部をふくらませた球部に液体を入れ,管内を排気するか窒素や炭酸ガスを入して密封し,管側に適当な温度目盛りがつけてある。下部の球部を被測温体に接触させたときに毛管内の液柱の先端がさす目盛りから温度を知る。測温範囲に応じて種々の液体が用いられる。水銀 (沸点 357℃,融点-39℃) を使用した温度計は測定範囲が 300~-30℃である。石英ガラス製のガス入りの温度計には 750℃まではかれる高温用のものがある。常温以下の温度を測定する低温用のものでは,-100℃まではエチルアルコールやトルエン,-200℃まではペンタンや,プロパンとプロピレンの混合液が用いられる。通常型の液体温度計は温度の変化に応じて液柱の長さが自由に変動するが,使用目的に応じた特殊温度計もある。測温中の最高または最低温度を示すものが,最高温度計 (体温計はその一種) ,最低温度計,または最高最低温度計である。小範囲の温度差の精密測定用にはベックマン温度計がある。また海水や湖水の任意の深さでの温度をはかるものに転倒式温度計がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ガラスや金属で作った容器の中に液体(感温液)を封入し,温度による液体の膨張媒介にして温度を指示させるようにした温度計。容器をガラスで作ったものは,古く17世紀に試作されたのち,さまざまに改良,変形されてきたが,今日もガラス製温度計,またはガラス温度計の名のもとに広く利用されている。また,感温液としてアルコール類(実は,多くの場合石油),または水銀を用いたものが広く普及しているので,それぞれアルコール温度計,水銀温度計と呼ばれる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 液体の熱膨張を利用した温度計。ガラスなど透明な毛細管の空気を抜いて、水銀やアルコールなどの液体を密封し、管に温度目盛りを刻んだもの。

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化学辞典 第2版の解説

液体の体膨張率はガラスの体膨張率の数十倍なので,ガラス毛管の下部を膨らませて液体を入れたものは,温度が上昇すると液体が見掛け上も膨張し,毛管部分へ伸びるので温度計として用いられる.水銀温度計アルコール温度計が普通に用いられているが,とくに低温用にはペンタンを用いたものもある(-200 ℃).この種の温度計には“浸”の印のついたものとついていないものとがある.“浸”の印のついたものはその印のところまで測定すべき温度に挿入したとき,目盛がその正しい温度値を示しているものである.一方,印のないものは温度計全体が測定すべき温度にあるとき正しい目盛を示すので,一部分だけが測定温度にあるときは露出部分の補正が必要となる.

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