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葉面散布 ようめんさんぷfoliage spray

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

葉面散布
ようめんさんぷ
foliage spray

葉面施肥ともいう。植物養分を溶液状態で葉面に散布して吸収させる施肥方法。従来,炭素を除くすべての植物養分は土壌から吸収されるという通説に対し,アメリカで尿素を主体とする窒素化合物水溶液によるりんごの葉面散布の効果が明らかにされ,散布用の尿素剤が利用されだした。その後,硫安その他の窒素化合物,リン酸化合物,カリ化合物,微量元素の葉面散布もできることが明らかになった。葉面散布の特徴は,根を用いずに養分がとれること,きわめて速効性があり,散布後わずか数時間で一部のものは植物体内に入って同化に役立つことである。養分は葉の表面を通して細胞内に吸収されるが,葉のクチクラ層 (表皮) が表より裏のほうが薄いので,裏面に散布するほうが吸収されやすい。

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デジタル大辞泉の解説

ようめん‐さんぷ〔エフメン‐〕【葉面散布】

肥料や養分を葉に散布し、葉面から吸収させる方法。

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百科事典マイペディアの解説

葉面散布【ようめんさんぷ】

液状の肥料を植物の葉に散布すること。植物は根からだけでなく,葉からも養分を吸収できるので,根の養分吸収力が衰えたり,土壌に施した肥料が効果を示さないときなどに行う。
→関連項目肥料

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世界大百科事典 第2版の解説

ようめんさんぷ【葉面散布】

植物は養分を根から吸収するだけでなく,葉面からも吸収できる(葉面吸収)。肥料成分を水溶液にして展着剤(界面活性剤)を加えて葉面に噴霧し,葉から養分を補給させることを葉面散布といい,追肥の一種である。根の活力が衰えて養分吸収能が低下しているときや,根が土中深く入りこんでいて土壌表面に追肥しても根に到達しにくいとき,あるいは土壌に施用しても養分が沈殿・吸着して,植物に吸収されがたい形態(不可給態)に変化してしまうときなどに,葉面散布によって養分を吸収させる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

葉面散布
ようめんさんぷ

肥料成分を植物に吸収させるために液状にした薄い肥料を葉面に散布することをいう。通常、作物に必要な無機成分は土壌中に肥料として施され、根から吸収、利用されるのが本筋であるが、植物は根ばかりでなく葉からも養分を吸収できるので果樹や花卉(かき)のように味、色の商品性を重んじるもの、葉の大きな野菜などで補助的、応急的な手段として葉面散布が行われる。
 散布される無機成分は作物の必要量も少なく、しかも土壌に施すと固定されたり移動しにくい鉄、亜鉛やマグネシウム、ホウ素などの微量要素(微量養素ともいう)である。尿素のような多量要素も薬害が出にくいことから葉面散布に使用されているが、作物の種類や天候などにより吸収状況が大きく異なり、また濃度をあまり濃くできないなどの制約から、多量要素の葉面散布はあくまでも補助的なものにすぎない。[小山雄生]
『肥料協会新聞部編『肥料年鑑』各年版(肥料協会)』

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