改訂新版 世界大百科事典 「湘潭」の意味・わかりやすい解説
湘潭 (しょうたん)
Xiāng tán
中国,湖南省東部,湘江の中流域,湘黔(しようけん)鉄道(株洲~貴陽)の沿線にある商工業都市。人口71万(2000)。韶山市,湘郷市,湘潭県を管轄する。湖南省最大の河川である湘江と漣江の合流点に位置し,沼沢地が多かったことから湘潭と呼ばれた。三国呉のとき湘西県を置き,南朝梁のとき湘潭県と改称,元代には州に昇格したが,明代ではまた県となり現在に至る。1949年に市となった。湘江の湾曲点にあり,水量豊富で船の碇泊に便利なため,古来水陸交通の要衝として知られ,湘江流域および江西省西部の物産の大集散地として商業活動が活発で,米の取引が盛んであり〈米市〉とも呼ばれた。おもな移出品は米,茶,桐油,夏布,薬材,紙などである。地下資源にはセッコウ,マンガンが豊富で,工業では冶金,電機,機械,綿紡績,食品,豚毛加工などが解放後発達した。地区内,湘潭県・湘郷市・韶山市の境にある韶山区韶山衝は毛沢東の故郷である。1965-67年にかけて湘潭市および寧郷県の耕地を灌漑するため韶山灌区が建設された。湘水の支流にあたる漣水の中流で河水を引き,総幹渠および南北幹渠240km,支渠1600km,引水橋26,トンネル9が建設された。
執筆者:林 和生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報