準静的過程(読み)じゅんせいてきかてい(英語表記)quasistatic process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「準静的過程」の解説

準静的過程
じゅんせいてきかてい
quasistatic process

系が1つの状態から他の状態に移る場合,途中のどの状態も熱平衡の状態からきわめてわずかしかずれないようにして行われる過程ピストンをきわめてゆるやかに (無限小の速さで) 動かして気体圧縮または膨張させる場合や,ほとんど等温度 (無限小の温度差) の2物体間で授受がゆっくり行われる場合がその例である。準静的過程では,同じ条件のもとで変化を行させることができるので,準静的過程は可逆過程である。しかし,可逆過程は必ずしも準静的過程ではない。現実の過程では,無限小の速さとか無限小の温度差といった条件を満足させることはできないから,準静的過程とは1種の理想概念である。

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化学辞典 第2版「準静的過程」の解説

準静的過程
ジュンセイテキカテイ
quasistatic process

熱力学において,系の状態変化がその熱平衡状態に無限に近い状態で行われ,しかも,各瞬間での状態がはじめに経てきた状態を次々に逆のにたどることができる変化をいう.準静的過程は実際には存在しない過程であるが,これにいくらでも近い過程は実現できるという意味の一つの極限的な過程である.たとえば,ピストンを備えた器のなかの気体を,ピストンをきわめて緩やかに動かして圧縮または膨張させる両過程は,互いに逆の順序をたどることができ,準静的過程に任意に近づけることができる.

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百科事典マイペディア「準静的過程」の解説

準静的過程【じゅんせいてきかてい】

物質の状態変化が常に熱平衡からきわめてわずかしかはずれないよう行われる過程。たとえばピストンをきわめてゆっくり動かして気体を膨張または圧縮する場合,または物体に温度がきわめてわずか異なる熱源を接触させて熱の交換を行わせる場合など。準静的過程は逆行が可能(可逆変化)。
→関連項目エントロピー(熱)カルノーサイクル

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世界大百科事典内の準静的過程の言及

【可逆変化】より

…熱力学ではもっと狭く,外界に無限小の変化を与えるだけで同じ道筋を逆にたどれる過程を可逆過程といい,そのような変化を可逆変化と呼んでいる。これは,例えばピストンをきわめてゆっくり動かして気体を圧縮あるいは膨張させる場合のように,状態の変化を熱平衡の状態からきわめてわずかずつ変化させることによって実現でき,このような可逆過程は準静的過程quasistatic processと呼ばれる。一般に,摩擦による熱の発生など仕事が熱に変わる過程は典型的な不可逆過程であり,一方,熱の発生を伴わない電磁気現象は可逆過程である。…

※「準静的過程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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