たんさんどうか‐さよう ‥ドウクヮ‥【炭酸同化作用】
※
科学‐大正一五年(1926)一月号・大発見、大発明の
動機〈
寺崎留吉〉「
植物は緑
(あを)い葉によりて大気中の
炭酸瓦斯を吸ひ〈略〉同時に
酸素を大気中に吐き出すことを発見した、これ即ち
炭酸同化作用
(タンサンドウクヮサヨウ)であって」
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デジタル大辞泉
「炭酸同化作用」の意味・読み・例文・類語
たんさんどうか‐さよう〔タンサンドウクワ‐〕【炭酸同化作用】
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炭酸同化作用
たんさんどうかさよう
carbon dioxide assimilation
広義には,生物体が二酸化炭素(水溶液は炭酸)を有機物に転化する反応の総称。炭酸固定ともいう。植物や細菌による光合成,細菌の化学合成,動物も含めて生物一般にみられる光や酸化エネルギーによらない固定反応(炭酸暗固定)がある。通常は光合成と同義に用いることも多い。光合成は大別して明反応と暗反応からなり,明反応では光エネルギーを利用してアデノシン三リン酸 ATPと還元型補酵素 NADPH2をつくり,これらにより暗反応のカルビン=ベンソン回路(カルビン回路)を駆動して,受容有機物分子内に炭酸ガスを取り込む。化学合成では,明反応にあたるものが光に依存せず,無機物あるいは有機物の酸化反応によっている。暗固定においては,各種カルボキシラーゼなどの酵素の働きで,ATPのエネルギーを利用しつつ,受容体有機分子へと炭酸基が直接に取り込まれるが,生物界全体ではこの経路の比重は小さい。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報