無水コハク酸(読み)むすいこはくさん(英語表記)succinic anhydride

改訂新版 世界大百科事典 「無水コハク酸」の意味・わかりやすい解説

無水コハク(琥珀)酸 (むすいこはくさん)
succinic anhydride


コハク酸の2個のカルボキシル基から1分子の水がとれた構造をもつ環式酸無水物。融点120℃,沸点261℃の無色結晶。減圧下100℃付近で昇華する。クロロホルム四塩化炭素エチルアルコールに可溶,水,エーテルに難溶。水と加熱するとコハク酸になり,アンモニアと加熱するとコハク酸イミドを生じる。ふつうコハク酸を無水酢酸塩化アセチル,オキシ塩化リンなどと加熱すると得られるが,工業的には無水マレイン酸接触水素化によって製造される。有機合成試薬として用いられる。
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化学辞典 第2版 「無水コハク酸」の解説

無水コハク酸
ムスイコハクサン
succinic anhydride

dihydro-2,5-furandione.C4H4O3(100.07).コハク酸を無水酢酸,塩化アセチルなどと加熱すると得られる.融点120 ℃,沸点261 ℃,128 ℃(1.33 kPa).クロロホルム,エタノールに可溶,エーテル,水に微溶.無水アルコールと反応してモノエステルを,アミンとの反応でモノアミドが得られる.種々の合成反応原料のほか,アルキド樹脂接着剤可塑剤の製造原料としても利用される.[CAS 108-30-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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