焼成リン肥(読み)しょうせいりんぴ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼成リン肥」の意味・わかりやすい解説

焼成リン肥
しょうせいりんぴ

溶融に至らない温度でリン鉱石を加熱処理(焼成)した種々のリン酸肥料総称。リン鉱石中のリン酸は安定なフッ素リン灰石の構造をしており、そのままでは作物にはほとんど吸収、利用されないので、肥料として使用するためには酸を作用させたり熱したりして構造を破壊する必要がある。リン鉱石に各種原料ソーダ灰=無水炭酸ナトリウム珪砂(けいさ)など)を混合、焼成して製造する。現在製造されている焼成リン肥のおもなものは、リン鉱石中のフッ素を他の化合物に変化させたレナニアリン肥と、リン鉱石中のフッ素を除去した脱フツリン酸三石灰の2種類である。水溶性リン酸を含まない緩効性の肥料で、2%のクエン酸水溶液に溶けるク溶性リン酸を34~38%含む。加工リン酸肥料および混合リン酸肥料の原料であり、飼料としても使用される。

[小山雄生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「焼成リン肥」の意味・わかりやすい解説

焼成リン肥
しょうせいりんぴ
calcined phosphate

リン鉱石にケイ砂硫酸ナトリウム,ソーダ灰,リン酸などの添加剤を加えて焼成した肥料。灰褐色粉末で,水溶性リン酸を含まないやや遅効性の肥料で酸性土壌火山灰土壌などに適している。

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