日本大百科全書(ニッポニカ) 「閃ウラン鉱」の意味・わかりやすい解説
閃ウラン鉱
せんうらんこう
uraninite
ウランの鉱石鉱物の一つ。比較的深所生成の低~高温熱水鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト、炭質物に富む堆積(たいせき)岩中などに産する。自形は立方体を基調とする立体。塊状のものは不純で水分などを含み、不定形でピッチのような外観をもつことからピッチブレンドpitchblende(和名瀝青(れきせい)ウラン鉱)ともよばれる。日本では、福島県川俣町飯坂(いいざか)、同いわき市、福岡県川崎町小峠(ことうげ)、石川県羽咋(はくい)市長手(ながて)島などの花崗岩質ペグマタイトから発見されている。元素ウランはこの鉱物から発見された。英名は成分にちなむ。
[加藤 昭]