閃ウラン鉱(読み)せんうらんこう(英語表記)uraninite

翻訳|uraninite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「閃ウラン鉱」の意味・わかりやすい解説

閃ウラン鉱
せんうらんこう
uraninite

ウラン鉱石鉱物の一つ。比較的深所生成の低~高温熱水鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト、炭質物に富む堆積(たいせき)岩中などに産する。自形立方体基調とする立体。塊状のものは不純で水分などを含み、不定形でピッチのような外観をもつことからピッチブレンドpitchblende(和名瀝青(れきせい)ウラン鉱)ともよばれる。日本では、福島県川俣町飯坂(いいざか)、同いわき市、福岡県川崎町小峠(ことうげ)、石川県羽咋(はくい)市長手(ながて)島などの花崗岩質ペグマタイトから発見されている。元素ウランはこの鉱物から発見された。英名は成分にちなむ。

加藤 昭]


閃ウラン鉱(データノート)
せんうらんこうでーたのーと

閃ウラン鉱
 英名    uraninite
 化学式   UO2+x(0<x<0.25)
 少量成分  Th,Pb,ΣY,ΣCe,Ca,H2O
 結晶系   等軸
 硬度    5~6
 比重    6.5~10.9
 色     黒
 光沢    亜金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照
 その他   強放射性

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「閃ウラン鉱」の意味・わかりやすい解説

閃ウラン鉱
せんウランこう
uraninite

UO2 。等軸晶系の鉱物。比重 6.5~10,硬度5~6。黒色または帯黒褐色。ウランの主要な鉱石鉱物。結晶正六面体を示すものが多い。微晶質の集合体はピッチブレンドと呼ばれる。天然産の閃ウラン鉱は常に過剰酸素を含んでおり,UO2.15 ~ UO2.6 の組成をもつ。トリアン石 ThO2 との間には固溶体を形成する。古い地質時代に生成した閃ウラン鉱は,放射源の鉛とヘリウムを顕著に含んでいる。花崗岩質岩石中のペグマタイト中や熱水鉱脈,あるいは堆積岩中に濃集して鉱床をつくる。

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