牛膝(読み)いのこずち

精選版 日本国語大辞典の解説

いのこずち ゐのこづち【牛膝】

〘名〙 (「いのくずち」の変化した語) ヒユ科の多年草。各地の山野、道ばたにふつうに見られる。高さ九〇センチメートルに達する。茎は四角柱で節の部分が太い。葉は長さ五~一五センチメートルの楕円形で先がとがる。夏から秋に、茎頂および葉腋(ようえき)に細長い穂を出し、淡緑色の小さい花をつける。実を包む苞(ほう)と外側のがく片は先がとがった針状で、このため実は衣類等につきやすい。乾燥した根は牛膝(ごしつ)と呼ばれ、利尿・強精剤とし、また、挿入して堕胎用に使った。ふしだか。こまのひざ。えのこずち。つなぎぐさ。いなきぐさ。《季・秋》
※円融院御集(11C初)「万代といはふみやまのゐのこずち君につかふるけふにぞあるらし」

ご‐しつ【牛膝】

〘名〙 植物「いのこずち(牛膝)」の漢名。また、その根を乾燥させたもの。漢方で、利尿・通経・強精薬に用いる。〔全九集(1566頃)〕

えのこ‐ずち ゑのこづち【牛膝】

〘名〙 植物「いのこずち(牛膝)」の異名
※浮世草子・好色一代男(1682)八「山椒薬を四百袋、ゑのこづちの根を千本」

いのくずち ゐのくづち【牛膝】

〘名〙 植物「いのこずち(牛膝)」の古形。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

ごしつ【牛膝】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。ヒユ科ヒナタイノコズチの根を乾燥したもの。サポニンや粘液質などを含み、血行促進、強壮利尿などの作用がある。排尿困難頻尿(ひんにょう)に効く牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)腰痛神経痛筋肉痛に効く疎経活血湯(そけいかっけつとう)関節リウマチ慢性関節炎に効く大防風湯(だいぼうふうとう)などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

いのこずち〔ゐのこづち〕【牛膝】

ヒユ科の多年草。草地などに生え、高さ約90センチ。対生する枝を出し、節が太い。葉は楕円形。夏から、緑色の小花を穂状につける。実にはとげがあり、衣服や動物の体について散らばる。乾燥した根を漢方で膝(ごしつ)といい、利尿剤にする。ふしだか。こまのひざ。 秋》

えのこ‐ずち〔ゑのこづち〕【牛膝】

イノコズチ別名

ご‐しつ【膝】

イノコズチの漢名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の牛膝の言及

【イノコズチ】より

…日本,中国にみられ,近縁種は東アジアに広く分布する。肥大した根を干したものが漢方の牛膝(ごしつ)で,サポニン状の物質を含み,利尿,強精,通経の効があるとされる。若芽や種子は食用に供される。…

※「牛膝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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