独鈷・独古(読み)とっこ

精選版 日本国語大辞典 「独鈷・独古」の意味・読み・例文・類語

とっ‐こ トク‥【独鈷・独古】

〘名〙 (「どっこ」とも)
真言密教の修法に用いる、両端が分かれないでとがっている金剛杵(こんごうしょ)。鉄または銅で作られている。独一の真如法界を表わし、また勇猛・摧破などを意味するとされる。とこ。独鈷杵(とっこしょ)。とっこう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
② 織り模様の名。①の形を縦縞状に多くつらねたもの。帯地などに用いる。
古事談(1212‐15頃)一「御引出物に優婆塞独鈷を相伝して持たりけるを」
腕くらべ(1916‐17)〈永井荷風〉一八「帯はぐっと古風に幅狭く仕立てた独鈷の唐繻子
③ (形の連想から) かつおぶしをいう、僧侶隠語。〔俚言集覧(1797頃)〕

とく‐こ【独鈷・独古】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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