猫流し(読み)ねこながし

日本大百科全書(ニッポニカ)「猫流し」の解説

猫流し
ねこながし

傾斜した樋(とい)の中を水で流して鉱物を選別する原始的な方法で、比重選鉱法の一種である。樋流し法sluicingのわが国における俗称。昔、佐渡の金山などで行われた選鉱法で、「ねこ」とは、浅くて長い樋を緩く傾斜させて設置し、その底に木綿や藁(わら)で編んだ織物を敷き詰めたもの。この上を砂金を含んだ砂、または粉砕した金鉱石を水とともに流すと、比重の小さい石英粒子や粘土は水によって流れ去り、比重の大きな金粒が底の織物にひっかかって捕捉(ほそく)される。一定時間後作業を中止し、底の織物をはぎ取って金粒を洗い落とす。同様の方法は、樋流し法として外国でも古くから行われており、底に織物を張るかわりに、水の流れに直角に低い桟を一定の間隔で設置し、重鉱物の流れをせき止めるやり方もある。砂金以外に砂錫(さすず)、砂鉄などの選別に、開発の遅れた地方では現在でも使用されている。

[麻生欣次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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