細かな凹凸のある底面をもって緩く傾斜したとい(樋)に,細かく粉砕された鉱石を水とともに流すことによって比重選別を行う方法。といは幅1~3m,長さ3~15m,深さ0.1~0.15mほどで,1/6~1/12ほどの傾斜で設置される。といの底面には粗目のむしろ(〈ねこ〉あるいは〈ねこだ〉ともいい,ねこ流しの名はここからついた),キャンバス,うねのあるコーデュロイ,フェルトなどを張るか,砂セメントなどで適当な粗度に仕上げられる。ここに粉砕された鉱石を5~20倍量の水とともに供給し,流下させるとその乱流の効果によって,鉱石中に含まれる高比重で細かい粒子が選択的に沈積し,捕捉(ほそく)される。ある時間鉱石を流した後で流れを止め,底面にたまった重鉱物粒子を回収する。金,スズなどの湿式比重選鉱法として現在も一部で使われている。原始的ながら効果のある選鉱技術である。
執筆者:井上 外志雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
傾斜した樋(とい)の中を水で流して鉱物を選別する原始的な方法で、比重選鉱法の一種である。樋流し法sluicingのわが国における俗称。昔、佐渡の金山などで行われた選鉱法で、「ねこ」とは、浅くて長い樋を緩く傾斜させて設置し、その底に木綿や藁(わら)で編んだ織物を敷き詰めたもの。この上を砂金を含んだ砂、または粉砕した金鉱石を水とともに流すと、比重の小さい石英粒子や粘土は水によって流れ去り、比重の大きな金粒が底の織物にひっかかって捕捉(ほそく)される。一定時間後作業を中止し、底の織物をはぎ取って金粒を洗い落とす。同様の方法は、樋流し法として外国でも古くから行われており、底に織物を張るかわりに、水の流れに直角に低い桟を一定の間隔で設置し、重鉱物の流れをせき止めるやり方もある。砂金以外に砂錫(さすず)、砂鉄などの選別に、開発の遅れた地方では現在でも使用されている。
[麻生欣次郎]
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