(読み)オソ

デジタル大辞泉 「獺」の意味・読み・例文・類語

おそ〔をそ〕【×獺】

カワウソ別名
「片身さかうて―が食べてござる」〈虎明狂・鱸庖丁

うそ【×獺】

カワウソの別名。おそ

だつ【×獺】

カワウソの別名。

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精選版 日本国語大辞典 「獺」の意味・読み・例文・類語

かわ‐うそかは‥【獺・川獺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. イタチ科の哺乳類。体長六〇~七〇センチメートルで、イタチに似る。四肢はきわめて短く、指には水かきがあって潜水がうまい。背面は光沢のある褐色で、腹面は淡褐色川岸、海岸などの穴にすみ、夜、魚、貝、水鳥などを捕食する。毛皮はラッコに類似し、高価だったために乱獲された。ユーラシア大陸、北アフリカに広く分布し、ユーラシアカワウソとも呼ばれるが、生息数は各地で減少。日本産亜種ニホンカワウソは、かつては日本全土に棲息したが、現在では、四国の一部にごく少数残存するのみ。特別天然記念物。かわおそ。おそ。〔文明本節用集(室町中)〕
  3. の毛皮。上毛はよごれがつかず、上毛を抜いて下毛だけにしたものは柔らかくあたたかいので、衣服やえり巻、くつなどに用いて珍重される。
    1. [初出の実例]「『カハウソ』の帽子」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一)

かわ‐おそかはをそ【獺】

  1. 〘 名詞 〙かわうそ(獺)
    1. [初出の実例]「獺(カハヲソ)」(出典尺素往来(1439‐64))
    2. 「かたみさかうて、川をそがくらうた」(出典:天理本狂言・鱸庖丁(室町末‐近世初))

おそをそ【獺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かわおそ」の略 ) =かわうそ(川獺)
    1. [初出の実例]「若し狙(ヲソ)の毛を用ゐて蓐にいる」(出典:四分律行事鈔平安初期点(850頃))

うそ【獺】

  1. 〘 名詞 〙 動物かわうそ川獺)」の異名。「うそ(嘘)」に掛けて用いられることもある。
    1. [初出の実例]「人のすがたは花うつぼやさし、さしておふたりや、うそのかはうつぼ」(出典:歌謡・閑吟集(1518))

だつ【獺】

  1. 〘 名詞 〙かわうそ(獺)」のこと。
    1. [初出の実例]「茶器どもを獺の祭の竝べ方」(出典:子規句集(1909)明治三五年)

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普及版 字通 「獺」の読み・字形・画数・意味


19画

[字音] ダツ
[字訓] かわうそ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(頼)(らい)。は舌頭來母(らいぼ)の音で、その音は他の舌頭音に転ずることが多い。〔説文〕十上に「小狗の如きものなり。水居して魚をらふ」とあり、〔玉〕に「の如し」という。〔礼記、月令〕「孟春の、~獺(かはうそ)、魚を祭る」とあり、食する前に陳列するという。詩文を作るときに、多く典故を並べたてることを獺祭という。

[訓義]
1. かわうそ。

[古辞書の訓]
和名抄〕獺 水獸、乎曾(をそ)(箋注)今俗に加波宇曾(かはうそ)と呼ぶ 〔名義抄〕獺 ヲソ〔字鏡集〕獺 ヲソ・カハヲソ

[声系]
latが獺thatとなるのは、豊lyeiが體(体)tyeiとなるのと同じく、舌頭音の転じたものである。

[熟語]
獺褐獺穴・獺祭獺傘獺皮獺婦
[下接語]
海獺・山獺・水獺・野獺・梁獺

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「獺」の解説

獺 (カワウソ)

学名:Lutra lutra
動物。イタチ科の獣

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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