デジタル大辞泉 「生ける」の意味・読み・例文・類語 い・ける【生ける/▽活ける】 [動カ下一][文]い・く[カ下二]《「生きる」に対して「生かす」の意。花などを生かしておくというところから》1 眺めて楽しむために花や枝などを形を整えて花器や瓶に挿す。「菊を―・ける」2 草木を植える。「鉢に草花を―・ける」3㋐命を保たせる。生き続けさせる。「これらを―・けて媒鳥をとりにて取らば」〈宇津保・藤原の君〉㋑生き返らせる。「この馬―・けて給はらむ」〈古本説話集・五八〉㋒魚を生かして飼う。「(鱸すずきヲ)生洲いけすへ―・けておきました所が」〈滑・八笑人・三〉 いけ‐る【生ける】 [連語]《動詞「い(生)く」(四段)の已然形+完了の助動詞「り」の連体形》生きている。「生きとし生けるもの」[補説]現代語では「生けるがごとく」のような文語表現や連体詞のように用いることが多い。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「生ける」の意味・読み・例文・類語 い・ける【生・活・埋】 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]い・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 命を保たせる。生存させる。死なないようにする。[初出の実例]「いでなほここながら死なんと思へど、いくる人ぞいとつらきや」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)「是を鎌倉の源二位に見えなば、人も多く損じ、我身も命いけらるまじ」(出典:平家物語(13C前)一一)「翌年光仁天皇御即位有りて道鏡をば命計をいけて下野国の薬師寺を造る別当にせられ」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉四)② 死んだもの、死にかけたものの命をとりもどす。よみがえらせる。[初出の実例]「『この馬(むま)いけて給はらん』と念じいりたるほどに」(出典:古本説話集(1130頃か)五八)③ 魚を生簀(いけす)などに入れて飼う。[初出の実例]「鱸(すずき)を一本さし上ませうとぞんじて、〈略〉生洲(いけす)へ活(イケ)ておきました所が」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)三)④ (鑑賞のために形をととのえて)草花や木の枝などを花器にさす。[初出の実例]「すみえの画軸に白い椿の花、水仙花、梅と三を花瓶にいけたをかいた」(出典:玉塵抄(1563)二二)⑤ ( 埋 ) (火鉢などで、火を保ったり、熱気を防いだりするために)火を灰の中に埋める。[初出の実例]「ヒヲ iquru(イクル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))「中にちょんぼりと火のいけてある形が」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)⑥ ( 埋 ) (保存のために)野菜などを土に埋める。(悪くならないように処置して)しまい蓄える。[初出の実例]「クリ ミカン ナドヲ iquru(イクル)〈訳〉栗、オレンジその他の果実を、長持ちするよう地面の下に保存する」(出典:日葡辞書(1603‐04))「大根も干したり土へ活(イ)けたりして闇いから闇いまで働いた」(出典:土(1910)〈長塚節〉二)⑦ ( 埋 ) 物の全部、または一部を地面に入れこむ。[初出の実例]「ゴミヲ ツチニ ikeru(イケル)」(出典:和英語林集成(初版)(1867)) いけ‐る【生る】 〘 連語 〙 ( 四段動詞「いく(生)」の命令形「いけ」に、完了の助動詞「り」の連体形「る」の付いたもの ) 生きている。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by