田舎節(読み)イナカブシ

デジタル大辞泉 「田舎節」の意味・読み・例文・類語

いなか‐ぶし〔ゐなか‐〕【田舎節】

民謡
歌舞伎舞踊の中で、特に民謡を取り入れた伴奏音楽で踊る部分
日本音楽で、陽旋法のこと。主に民謡に用いられるところから、明治中期に上原六四郎命名。→都節みやこぶし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「田舎節」の意味・読み・例文・類語

いなか‐ぶしゐなか‥【田舎節】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 地方の民謡。
    1. [初出の実例]「木をこってをいかせぐいやしい者はいなかぶしの歌いをうたうぞ」(出典:玉塵抄(1563)四二)
  3. 俗楽旋法の一つ。陽旋法に属し半音を含まない。民謡などに用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「田舎節」の意味・わかりやすい解説

田舎節 (いなかぶし)

上原六四郎(1848-1913)が《俗楽旋律考》(1895)の中で命名した日本の音階名称の一つ。上原は日本の音楽を都会の音楽(義太夫節長唄など近世邦楽)と田舎の音楽(民謡など)に分け,それぞれ異なった音階を持つとした。そして前者の半音を含む音階(陰旋法)を都節(みやこぶし),後者の半音を含まない音階(陽旋法)を田舎節と名づけた。しかしこの上行と下行で形が異なる音階は,その後の民謡研究により,批判されている。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「田舎節」の意味・わかりやすい解説

田舎節【いなかぶし】

陽旋法

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android