陽電子放射断層撮影法(読み)ヨウデンシホウシャダンソウサツエイホウ

化学辞典 第2版「陽電子放射断層撮影法」の解説

陽電子放射断層撮影法
ヨウデンシホウシャダンソウサツエイホウ
positron emission tomography

PET(ペット)ポジトロン断層撮影法ともいう.陽電子が電子と結合して消滅する際に放出する消滅放射線によって,体内の患部の様子を画像化して診断する核医学検査法の一つ.PET(検査)としてよく知られている.この場合,消滅放射線は,通常の検査用X線よりはるかに強力な0.511 MeV のγ線2本で,同時に反対方向に放出されるので,人体周囲に置いた多数のγ線検出装置で同時計測して得られたデータをもとに画像化する.γ線検出装置として,NaI,BGO(ゲルマニウム酸ビスマス(Bi4Ge3O12)結晶)などのシンチレーター光電子増倍管の組合せが用いられる.陽電子を放出して崩壊する(β 崩壊)核種 11C,13N,15O,18F でラベルした化合物を含む溶液を注射または吸入により摂取させ,細胞活動の盛んながん患部に集中する性質を利用して,がんの部位と大きさを知ることができる.これらの核種の半減期が 11C(20.33 min),13N(9.97 min),15O(122 s),18F(109.8 min)と短いので,検査装置の近くに小型サイクロトロンと自動合成装置を設置して,注入用放射性薬剤を使用直前に合成する.化合物は,対象によりCO,CO2,水(血液),O2(酸素代謝),メチオニン(腫瘍,膵機能),アンモニア(心筋,腫瘍),フルオロデオキシグルコース(糖代謝)などである.国内で2002年4月から,一部のがん検診に保険適用が認められた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「陽電子放射断層撮影法」の解説

陽電子放射断層撮影法
ようでんしほうしゃだんそうさつえいほう
positron emission tomography; PET

ポジトロン (→陽電子 ) 放出断層撮影法あるいはポジトロン CTともいう。核医学診断装置による撮影法の一つ。局所血流量,局所血液量,局所酸素消費量,ブドウ糖利用率などを知ることができるため,脳血管障害や虚血性心疾患などの診断に用いられる。方法としては,ポジトロンを放出する物質を目標の臓器に入れ,放射されるγ (ガンマ) 線を検出してコンピュータ処理し,画像を得る。従来のX線 CTと陽電子負荷の電子工学を組合せた,新しい断層撮影法である。

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デジタル大辞泉「陽電子放射断層撮影法」の解説

ようでんしほうしゃ‐だんそうさつえいほう〔ヤウデンシハウシヤダンソウサツエイハフ〕【陽電子放射断層撮影法】

ペット(PET)

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