痛悔(読み)ツウカイ

デジタル大辞泉 「痛悔」の意味・読み・例文・類語

つう‐かい〔‐クワイ〕【痛悔】

心の底からくやむこと。非常に後悔すること。
「此春のもたらせしものは―と失望と」〈紅葉金色夜叉
contritionカトリック用語。神に対する愛または恐れから起こる悔い改め。「ゆるしの秘跡」の本質的部分コンチリサン

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精選版 日本国語大辞典 「痛悔」の意味・読み・例文・類語

つう‐かい‥クヮイ【痛悔】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ひどく後悔すること。非常にくやむこと。
    1. [初出の実例]「痛悔臍をかむとは漢文の古語にして」(出典:俳諧・鶉衣(1727‐79)後)
    2. 「此春の齎せしものは痛悔と失望と」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉続)
  3. ( [英語] penance ) ローマ‐カトリック教会で、懺悔(ざんげ)儀式のうち、告白の前に心から罪を悔い改めた心情を表示すること。悔悛
    1. [初出の実例]「いつもの癖で痛悔(ツウカイ)悔悟)の祈りを誦えた」(出典:傷ついた葦(1970)〈曾野綾子〉一)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「痛悔」の意味・わかりやすい解説

痛悔
つうかい
contritio; contrition

ローマ・カトリック教理における告解の秘跡中核となる行為で,すべての罪,少くともすべての大罪を神に対する侮辱とみて,罪を犯すよりはむしろすべてを失うほうを選ぶ決心をするほどまでに悔むことをいう。痛悔には神に対するおそれからのものと神に対する愛よりの痛悔があり,前者は不完全の痛悔,後者は完全の痛悔と呼ばれている。

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