骨膜(読み)コツマク

デジタル大辞泉 「骨膜」の意味・読み・例文・類語

こつ‐まく【骨膜】

硬骨表面を覆う結合組織の膜。外層血管に富み、内層造骨細胞があって、骨の保護・栄養成長再生をつかさどる。
[類語]粘膜横隔膜角膜胸膜結膜鼓膜髄膜脳膜弁膜腹膜網膜肋膜

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精選版 日本国語大辞典 「骨膜」の意味・読み・例文・類語

こつ‐まく【骨膜】

  1. 〘 名詞 〙 骨の外面を覆う強くてしなやかな薄い膜。血管と神経が分布し、骨髄中に連絡する。骨と周囲組織との結合仲立ちをするほか、骨へ栄養を供給し、骨の損傷の際には骨質を再生する。〔解体新書(1774)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「骨膜」の意味・わかりやすい解説

骨膜
こつまく
periosteum

骨の表面を覆っている緻密(ちみつ)な結合組織の白い層をいう。関節面には骨膜はなく関節軟骨が存在する。骨膜の表層は結合組織性線維が主で、骨表面に近い下層では結合組織性細胞や血管が豊富となる。この結合組織性細胞は骨芽細胞(造骨細胞)に分化する性質をもち骨形成の作用をつかさどる。このため、骨膜は、豊富な血管とこれらの細胞とともに、骨の形成や骨損傷の際の修復に重要な役割を果たしていることになる。手術時や骨損傷時に、骨膜の処置を慎重にするのはこのためである。骨膜内の膠原(こうげん)線維は骨組織に入り込み、骨膜と骨との結合を強固にしている。これをシャーピー線維とよぶ。また、骨膜は骨格筋の腱(けん)とも入り混じって固く結合している。骨の内面、つまり骨髄腔(くう)の内壁には骨膜と同じ性質の骨内膜が張られている。骨内膜は骨膜よりも薄いが、役割は骨膜と同じである。

[嶋井和世]

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百科事典マイペディア 「骨膜」の意味・わかりやすい解説

骨膜【こつまく】

骨の表面を包む結合組織の薄い膜。成長期の骨では骨の表面に骨質をつくる働きをし,成人では骨の栄養に関与する。成長後でも骨折などの際はその造骨機能を復活して骨質を補充する。骨膜には知覚神経が豊富に分布し敏感である。
→関連項目

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栄養・生化学辞典 「骨膜」の解説

骨膜

 厚い線(繊)維の膜で,骨の表面を覆う.

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世界大百科事典(旧版)内の骨膜の言及

【骨】より

…なお,後述の付加骨では,成長のための軟骨層をもっていない。
[骨膜periost(periosteum)]
 骨の表層は骨膜という結合組織の薄膜で包まれている。骨膜は骨の表面に付着しているだけでなく,その結合組織繊維(シャーピー繊維)が骨質の中に侵入している。…

※「骨膜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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