対抗力(読み)たいこうりょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「対抗力」の解説

対抗力
たいこうりょく

自己に権利があることなどを第三者に対して主張できる法律上の効力。主として,物権債権などの財産権に変動が生じ,自己が権利者となっていることを第三者に対して主張する場合に問題となる。すなわち,不動産物権の変動は登記民法177。→不動産登記),動産物権の変動は引渡し(178条)がそれぞれ原則的な対抗要件であり,対抗要件を備えることによって第三者に対する対抗力が生じる。また,債権譲渡は債権の種類によって,それぞれ裏書手形小切手など有価証券。手形法11,77条,小切手法14),引渡し(乗車券など無記名債権。民法86条3項,178),あるいは確定日付のある証書による通知承諾指名債権。467条2項)によって対抗力が生じる。さらに,法人の機関や代理人選任解任など,人の法律上の資格(民法112,655条など)や,法律行為の無効や取り消しを第三者に主張する(94条2項,96条3項など)際にも,対抗が問題となることがある。

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精選版 日本国語大辞典「対抗力」の解説

たいこう‐りょく タイカウ‥【対抗力】

〘名〙
① 張り合う力。対立する力。
※修辞及華文(1879)〈菊池大麓訳〉一般文体の品格を論ず「電気物体の作用に現はれて常に物体を管制する引力、及び其対抗力の如き是なり」
② 当事者間で効力の生じた法律関係を他の人に対して主張できる力。→対抗要件

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世界大百科事典内の対抗力の言及

【対抗要件】より

…たとえば,不動産所有権がAからBに移転した場合に,Bが自己に所有権が帰属した旨を当事者たるAB以外の第三者に主張するために行われる登記などがそれにあたる。対抗要件の具備によって,第三者に対し事実または法律関係の存在を主張しうる効力を対抗力という。対抗要件は成立要件とは異なり,これを欠いても事実または法律関係の成立は妨げられない。…

※「対抗力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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