先天性の色素脱失症です。生まれつき皮膚、毛髪などの色素がないため白くなります。
遺伝疾患で、チロシナーゼなどのメラニン色素をつくる遺伝子に異常があることが原因ですが、遺伝子の異常については数種類のタイプがあります。チロシナーゼの活性がまったくないためにメラニン色素ができないタイプと、チロシナーゼの活性があって少しはメラニン色素ができるタイプがあります。
出生時より毛髪が白く、また皮膚は白色調となります。眼は薄い青色調となり、網膜血管の赤い色がすけて赤く見えます。色素がないため、光に対して大変まぶしがります。また、視力の低下も現れます。チロシナーゼ活性のあるタイプでは、毛は黄色調となる場合もあります。
紫外線に弱く、すぐに日焼けをして赤くなりますが、黒くはなりません。中年以後に、日光のあたる部位に皮膚がんが発生することがあります。特殊なタイプとしては、出血しやすいような症状を伴ったり、感染症を繰り返すタイプもあります。
チロシナーゼ活性があるかどうかについては、毛髪を用いて検査ができます。詳しい病気の分類についての遺伝子検査がなされる場合もありますが、治療に役立つものではありません。
根本的な治療法は現在のところありません。帽子や衣服、サンスクリーンを用いて
まず日光浴をしないことです。外出時は眼を保護するためにサングラスや帽子を必ず着用し、衣服は長袖、長ズボンを着るようにするのがよいでしょう。
堀川 達弥
白皮症はメラニンの生成が生まれつき損なわれているため、皮膚や眼のメラニン色素が消失または低下する病気です。メラニンはアミノ酸の一種であるチロシンからつくられますが、その代謝を
チロジナーゼ活性のない典型例では、生まれた時から全身の皮膚が白く、頭髪、眉毛、
根本的な治療法はありません。眼に関してはサングラスの装着が必要で、紫外線
大浦 敏博
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…多くは遺伝的原因によるもので,メラニン生合成の阻害,とくにチロシンからの合成に関与するチロシナーゼの遺伝的欠損または活性阻害の存在が認められる。このような現象albinismは白化現象,白化症(医学では白皮症)などとも呼ばれ,多くの動物種でみられる。シマヘビの白化型である〈シロヘビ〉をはじめ,野生動物の白子は古くから知られ,しばしば信仰の対象とされてきた。…
※「白皮症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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