白皮症(読み)ハクヒショウ(その他表記)Albinism

精選版 日本国語大辞典 「白皮症」の意味・読み・例文・類語

はくひ‐しょう‥シャウ【白皮症】

  1. 〘 名詞 〙 人や動物で、先天的に色素が欠乏して、皮膚や頭髪が白くなる病気。しろこ。

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家庭医学館 「白皮症」の解説

はくひしょう【白皮症 Albinism】

[どんな病気か]
 目や皮膚のメラニンが生まれつき少ないか、欠けている病気です。目が赤くみえ、髪は金色に、皮膚は白くみえます。
 これは、メラニンを黒くするチロジナーゼという酵素(こうそ)に異常があるためにおこるのですが、チロジナーゼがまったくはたらかないものと、少しはたらいているものとがあります。後者では、成長につれて色素が少しずつできていきます。
 チロジナーゼの活性(はたらき具合)は、皮膚や毛髪を検査するとわかります。活性がまったくないのは常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)ですが、限局性白皮症(げんきょくせいはくひしょう)(ぶち症、まだら症)という、ひたいや腹部四肢しし)の色がところどころ抜けるタイプは常染色体優性(ゆうせい)遺伝です。
 白皮症のような常染色体劣性遺伝性疾患の病気の子どもが生まれた場合、つぎの子どもが同じ病気になる確率は25%ですが、常染色体優性遺伝では50%になります。遺伝について心配な場合は、遺伝相談をしている施設で相談してみるとよいでしょう。
[治療]
 根本的な治療法はありませんが、限局性白皮症では光線療法や、表皮のみ移植する吸引移植法を行なうこともあります。
 網膜(もうまく)にも色素がないため、羞明(しゅうめい)(外光をまぶしく感じる)などの目の症状もあり、それには眼科対処してもらわなければなりません。
 また、皮膚に色素がないため日焼けしやすく、将来皮膚がんが発生しやすいので、その対処も必要です。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白皮症」の意味・わかりやすい解説

白皮症
はくひしょう
congenital leukopathia

先天的に皮膚,毛,および眼の色素が欠損している遺伝的疾患で俗に白子 (しらこ) と呼ばれる。原因は,メラニン色素生成にかかわる酵素の機能不全,あるいは欠損である。皮膚のメラニン色素は,紫外線の有害作用から生体を保護する重要な役割を有している。日差しの強い地域に生活する人種ほどメラニン色素が多く,皮膚の色も濃い。しかし,このメラニン色素が欠如する白皮症の人は,短時間の日光浴でも容易に強い日焼けを起こす。また,無防備の状態で日光浴を繰り返せば,正常人と比較して皮膚癌の発生率も高い。サンスクリーン剤 (日焼け止め) を皮膚に塗布し,サングラスを着用することが望ましい。

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世界大百科事典(旧版)内の白皮症の言及

【白子】より

…多くは遺伝的原因によるもので,メラニン生合成の阻害,とくにチロシンからの合成に関与するチロシナーゼの遺伝的欠損または活性阻害の存在が認められる。このような現象albinismは白化現象,白化症(医学では白皮症)などとも呼ばれ,多くの動物種でみられる。シマヘビの白化型である〈シロヘビ〉をはじめ,野生動物の白子は古くから知られ,しばしば信仰の対象とされてきた。…

※「白皮症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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