精選版 日本国語大辞典 「目覚草」の意味・読み・例文・類語
めざまし‐ぐさ【目覚草】
- ( 「めさましぐさ」とも )
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① ( 「くさ」は「種(くさ)」 ) 目をさまさせるためのもの。一説に、目ざめの時にいつも見るもの。
- [初出の実例]「暁の目不酔草(めさましぐさ)とこれをだに見つついまして吾れを偲はせ」(出典:万葉集(8C後)一二・三〇六一)
- ② 「ちゃ(茶)」の異称。
- [初出の実例]「野上の茶屋に輿を立ててまたざれうたを、旅人にめさまし草を勧めずは野上の里に昼寝をやせん」(出典:藤河の記(1473頃))
- ③ 「タバコ(煙草)②」の異称。
- [初出の実例]「奴に持たせし煙管筒、一服ついでくゆらするめさまし草は」(出典:浄瑠璃・雪女五枚羽子板(1708)上)
- ④ 植物「まつ(松)」の異名。
- [初出の実例]「豊喜合草 松〈天智天皇花尽異名〉〈略〉目覚艸 同〈同〉山里の暁ことの松かせやめさまし草の種となるらむ」(出典:蔵玉集(室町))
- ⑤ 植物「おぎ(荻)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- ① ( 「くさ」は「種(くさ)」 ) 目をさまさせるためのもの。一説に、目ざめの時にいつも見るもの。
- [ 2 ] ( めさまし草 ) 文芸雑誌。明治二九年(一八九六)一月から同三五年二月まで刊行。森鴎外を中心に「しがらみ草紙」の後身として発刊。小金井喜美子・三木竹二・幸田露伴・落合直文・斎藤緑雨らが執筆。鴎外・露伴・緑雨三人の匿名批評「三人冗語」、さらに依田学海・饗庭篁村・森田思軒・尾崎紅葉を加えた「雲中語」、長原止水の風俗漫画などが注目された。