直接原価計算(読み)ちょくせつげんかけいさん(英語表記)direct costing; marginal costing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

直接原価計算
ちょくせつげんかけいさん
direct costing; marginal costing

製品原価の計算を直接原価で行う部分原価計算。直接原価は操業度との関係における原価の変動性の観点から区分された変動直接費と変動間接費から成るので,変動原価計算と呼ばれることもある。売上高から直接原価を控除して限界利益を求め,さらに限界利益から期間原価を差引いて営業利益を求めるという形で原価計算を行う方法。全部原価計算では製造原価であれば,それが変動費であるか固定費であるかを問わず製品原価に算入され,また販売費および一般管理費はたといそのなかに変動費が含まれていても期間原価として全額当期費用として処理される。これに対し直接原価計算では製品原価は製造上の変動費だけで計算され,たとい製造原価であっても固定費は製品原価に算入せず,期間原価として全額当期費用として処理される。また販売費および一般管理費は当期費用として扱うが,そのうち変動費部分は製品原価中の売上げ分とともに直接原価として損益計算書において売上高に対応させ,販売費および一般管理費中の固定費部分は製造原価中の固定費部分とともに期間原価として処理される。その利点としては,(1) 売上高と利益の比例性,(2) 期間原価の一括的表示,(3) 限界利益の活用,(4) 原価管理への貢献,(5) 経営者的思考への一致などがあげられる。

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百科事典マイペディアの解説

直接原価計算【ちょくせつげんかけいさん】

操業度の変化に応じて増減する変動費(直接材料費・直接労務費・直接経費)と,まず増減がない固定費(減価償却費など)に分け,変動費だけで製品原価を計算する方法。変動原価計算とも。固定費は期間原価として処理される。短期利益計画の策定に有効な限界利益資料を提供する。固定費負担の大きい化学工業などで採用。
→関連項目管理会計原価計算

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直接原価計算

売上高と原価、利益の関係(Cost-Volume-Profit関係)を把握するための計算方法。まず費用を変動費と固定費とに分類し、売上高から変動費を差し引いて限界利益を求める。次に、限界利益から固定費を差し引いて営業利益を求める。この計算により、事業や製品ごとの利益計画を策定したり、各事業あるいは製品の貢献度を評価するのに活用される。

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世界大百科事典内の直接原価計算の言及

【原価計算】より

…そこで原価計算制度は,企業により重点の相違はあっても,どの経常的目的にも役立つようにシステム設計が行われるのに対し,臨時的目的については複式簿記とは切り離し,特殊原価調査の形で計算や分析が行われる。
[全部原価計算・直接原価計算]
 伝統的な原価計算は,製造原価の全部を製品に集計するので全部原価計算という。販売費と一般管理費は期間原価として処理される。…

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