相互会社(読み)ソウゴガイシャ

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

相互会社

保険業法に基づき設立された契約者社員とする社団法人。社員は、配当を受けたり経営に参加したりできる。非営利で保険料を払う契約者同士が支え合うことを基本理念とする。国内生保の多くが相互会社だった時期もあるが、現在は生命保険協会に加盟する41社のうち、日本生命保険など大手を中心に6社だけが相互会社の形態をとっている。

(2007-12-07 朝日新聞 朝刊 1総合)

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百科事典マイペディアの解説

相互会社【そうごかいしゃ】

相互保険会社とも。相互保険を目的とする社団法人で,相互保険組合でないもの。保険業法に基づき,設立には3000万円以上の基金が必要。事業資金は原則として社員の支払う保険料による。商法上の会社ではないが,その規定を準用。→保険会社
→関連項目第一生命保険[相互会社]取締役

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保険基礎用語集の解説

相互会社

保険事業を営む場合にのみ認められている企業形態であって、その構成員たる社員相互の保険を行うことがその存立の目的になっている社団法人を指します。法人としての法的性質は、営利法人でも公益法人でもない中性法人(または第三種法人)であるとされています。相互会社では、会社と社員との間に、法人組織上の社員関係のほかに保険契約上の保険関係が同時に存在しています。つまり、社員は全体としては保険者立場に立つが、個々の存在としては保険契約者(=保険関係者)の立場に立っています。

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世界大百科事典 第2版の解説

そうごかいしゃ【相互会社】

保険業法によって,保険事業を営むために設立することが認められる社団法人(保険業法18条以下)。相互会社は自社の社員を対象に保険事業を営むものであって,対外的な取引から利潤を得てこれを社員に分配するものではないから,営利法人ではなく,したがって商法上の会社ではない(商法52条参照)。また,自社の社員以外を対象に公益事業を行うものでもないから,民法上の公益法人でもない(民法34条参照)。その性格は,保険業法上の中間法人である。

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大辞林 第三版の解説

そうごがいしゃ【相互会社】

相互保険を営業する社団法人。相互保険会社。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

相互会社
そうごがいしゃ

相互保険を扱う非営利の社団法人。保険業法に基づく保険会社特有の会社形態である。株主は存在せず、保険契約者が社員(株式会社の株主に相当)となり、配当を受ける。全保険契約者が議決権をもつ社員であるため、社員数は数百万から1000万人超に達し、事実上、社員総会を開催することはできない。このため保険契約者のなかから総代を選び、この総代によって構成される総代会(株式会社の株主総会に相当)を最高意思決定機関とし、経営監視や経営方針の承認を行う。日本では1902年(明治35)に設立された第一生命保険が相互会社の第1号である。2014年(平成26)8月時点で、日本生命保険、明治安田生命保険住友生命保険、富国(ふこく)生命保険、朝日生命保険が相互会社方式を採用している。なお、相互会社方式の損害保険会社はない。
 株式会社方式の生命保険会社では契約者とは別に株主にも配当する必要があるのに対し、相互会社は契約者にすべての配当を回すため、配当が高くなる傾向がある。また、相互会社には株式会社に比べて買収されにくいという特性がある。しかしその一方で、資金を市場から調達するのがむずかしいという問題が生じることや、さらには国際競争力向上のために必要な業界再編の障害になっているという指摘もある。日本ではバブル経済が崩壊した1990年代中盤以降、生命保険会社の経営悪化が相次いで表面化した。このため政府は1995年(平成7)に保険業法を改正し、相互会社から株式会社への転換を認めるようになった。これにより相互会社であった大同(だいどう)生命保険(2002年)、太陽生命保険(2003年)、三井生命保険(2004年)、第一生命保険(2010年)などが株式会社に転換し、経営統合や株式上場を果たしている。
 なお、広義には、社員とサービス受益者(顧客)が一致する経営形態を相互会社という。日本の相互会社方式をとる保険会社のほか、社員から貯蓄を集めて社員に貸し出すアメリカの相互貯蓄銀行などがこれに該当する。[矢野 武]

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