相撲の節(読み)スマイノセチ

デジタル大辞泉 「相撲の節」の意味・読み・例文・類語

すまい‐の‐せち〔すまひ‐〕【相撲の節】

平安時代、毎年7月に宮中で、諸国から召し集められた相撲人すまいびと相撲天皇が観覧した行事初めは7日、のち、大の月は28日・29日、小の月は27日・28日となった。2日前にけいこの内取りがあり、当日は召し合わせといって20番(のち17番)の取組があり、翌日、優秀な者を選んで行う抜き出衛府舎人とねりなどによる追い相撲があった。場所は多く紫宸殿ししんでん南庭で行われた。すまいのせちえ。すもうのせち。すまい。 秋》

すもう‐の‐せち〔すまふ‐〕【相撲の節】

すまいのせち」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「相撲の節」の意味・読み・例文・類語

すまい【相撲】 の=節(せち)[=節会(せちえ)

  1. 天皇が宮中で相撲を観覧され、参列諸臣饗宴を催される儀式。延暦以降一二世紀までは七月に行なわれた。相撲使(すまいのつかい)を地方につかわして相撲人(すまいびと)を召し出させる。七月二六日頃に相撲の下げいこである内取(うちどり)が仁寿殿(じじゅうでん)で行なわれる。二七日頃に紫宸殿で召合(めしあわせ)があり、はじめは二〇番、後には一七番の相撲が行なわれ、翌日には、天皇に指名された者が相撲を行なった。これを抜出(ぬきで)という。すもうのせち。すまいの会(え)。すまい。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「勅、相撲之節、非啻娯遊、簡練武力最在此中」(出典:続日本後紀‐天長一〇年(833)五月丁酉)

相撲の節の語誌

( 1 )宮中で天覧相撲が催された記録自体は、すでに「書紀‐皇極元年七月」に見える。「続日本紀」では、聖武天皇の天平六年及び一〇年の七月七日に天覧相撲が開催された記録があり、この頃には七月に行なうことが恒例化していたものと思われる。
( 2 )中古には、儀式としての制度諸式も整い、「内裏式」には「相撲式」として、七月七日及び八日の二日間にわたる式の次第が詳しく記されているが、この頃は必ずしも定期的なものではなかったらしい。
( 3 )院政期以降は武士勢力の台頭に伴う朝廷の力の衰微もあり、保安以後三〇年余り中断。その後、保元三年(一一五八)に再興するものの、承安四年(一一七四)を最後に廃絶した。


すもう【相撲】 の=節(せち・せつ)[=節会(せちえ・せつえ)

  1. すまい(相撲)の節《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「内宴の相撲(スマウ)の節(セツ)、絶てひさしき跡を続(つぐ)」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)上)

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