国学、和歌の流派。「県居」は、江戸時代の国学者賀茂真淵(かもまぶち)(1697―1769)の屋号で、雅号としても用いられたところから、真淵を中心とした学問や和歌の流派を県居派という。真淵は、『万葉集』や『古事記』、祝詞(のりと)など、古代の古典に拠(よ)って古道を説き、万葉調の作歌を唱導した。『万葉考』や「五意考(ごいこう)」(『国意考』『歌意考』ほか)など多くの著作を残し、歌文集『賀茂翁家集』もある。これらが県居派のよりどころとされ、古道思想と万葉研究、万葉調の作歌が県居派の特色である。和歌では後世、古今主義の桂園(けいえん)派と相対して、二大潮流をなした。本居宣長(もとおりのりなが)、揖取魚彦(かとりなひこ)、加藤千蔭(ちかげ)、荒木田久老(ひさおゆ)らが代表的である。
[井上 豊]
…中期に入って,《万葉集》の精神,用語を積極的にとり入れることを主張する賀茂真淵が登場して,以後の短歌史に大きな影響を及ぼした。真淵の門流は県居(あがたい)派と呼ばれたが,やがて分派し,〈江戸派〉(加藤千蔭,村田春海ら),〈鈴屋(すずのや)派〉(本居宣長,加納諸平ら)としてともに競い合った。さらに〈ただごと歌〉を主張した小沢蘆庵,〈調べの論〉を提唱した香川景樹の2人は,反真淵の立場を前面に出すことで,自身の作風を鮮明にした。…
※「県居派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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