眼球振盪(読み)ガンキュウシントウ(その他表記)nystagmus

翻訳|nystagmus

デジタル大辞泉 「眼球振盪」の意味・読み・例文・類語

がんきゅう‐しんとう〔ガンキウシンタウ〕【眼球振×盪】

眼球が無意識に律動的に動く現象。急速力で動いている物体を眺めたときなどに起こる生理的眼振と、脳や神経などの病変のために起こる病的眼振とがある。ニスタグムス。眼振。

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精選版 日本国語大辞典 「眼球振盪」の意味・読み・例文・類語

がんきゅう‐しんとうガンキウシンタウ【眼球振盪】

  1. 〘 名詞 〙 頭を動かさないで目だけ横を向けさせたとき、眼球が視線反対方向に、ぴくぴく動く状態。脳や神経の病気によって起こる。

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家庭医学館 「眼球振盪」の解説

がんきゅうしんとうがんしん【眼球振盪(眼振)】

 意志とは無関係におこる眼球の規則正しい往復運動(揺れ)のことです。厳密には、不規則な揺れはこの範疇(はんちゅう)には含まれません。車中から外の景色を見たときなど、生理的にもおこることがあります。
 先天的な眼振と後天的な眼振に大きく分けられ、後天的な眼振は動揺視(どうようし)という症状を自覚することが多いのですが、先天的な眼振にはありません。
 先天的眼振は、目の病気がもたらす視力不良による場合と、眼振以外に目に異常がみられない場合(眼球運動系の異常)とがあります。
 治療法は、見る方向によって眼振が少なくなるか、なくなる位置にプリズムめがねをつける方法と、斜視(しゃし)のように手術によって目の位置をずらす方法とがあります。
 後天的眼振は耳や脳の病気でおこります。耳鼻科(じびか)、神経内科脳神経外科を受診して診察を受けてください。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「眼球振盪」の意味・わかりやすい解説

眼球振盪
がんきゅうしんとう
nystagmus

眼振ともいう。眼球の不随意的,律動的に反復する往復運動をいう。眼球が2点間を振り子のように往復する振り子様眼振と,一方向にはゆるやかで,他方向には急速に移動する律動眼振とがある。健康者でも特殊な条件下で現れる。生理的な眼振は,移動する外界の物体の注視に役立つが,病的なものは,めまい平衡障害,動揺視 (物がちらちら揺れて,見つめにくい) などを伴うことが多い。種々の神経疾患,脳障害,眼疾患,内耳疾患などの際にこれらの症状が現れ,その診断のために眼振の検査が役立つことも多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「眼球振盪」の意味・わかりやすい解説

眼球振盪 (がんきゅうしんとう)

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世界大百科事典(旧版)内の眼球振盪の言及

【眼振】より

…眼球振盪(しんとう)ともいう。規則的,持続的に振れ動く眼球の往復運動をいう。…

【平衡機能検査】より

…たとえば内耳に障害が起こると,その情報の一つは内耳神経を伝わって脳(とくに脳幹や小脳)に入り,眼を動かす神経に行く。この反射系路を医学的に前庭動眼反射と呼び,現象的には眼球振盪(しんとう)(眼振という)となって,異常な眼の動きとしてあらわれてくる。これは,正常健康人にはみられない眼の動きで,めまいのある人にはよくみられる現象である。…

※「眼球振盪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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