石像寺(読み)しやくぞうじ

日本歴史地名大系 「石像寺」の解説

石像寺
しやくぞうじ

[現在地名]上京区花車町

千本せんぼん通の東に位置する。浄土宗。家隆山光明遍照石像寺と号し、本尊阿弥陀如来。一般に釘抜地蔵の名で知られる。一説に弘仁一〇年(八一九)空海開基ともいい(蓮門精舎旧詞)中世、俊乗坊重源が真言宗から浄土宗にあらためた(浄家寺鑑)。その後衰微していたが、慶長一九年(一六一四)西蓮社巌誉が中興(蓮門精舎旧詞)近世には「四十八願寺」参りの第八願所として念仏系諸寺院の巡拝コースに数えられ(京羽二重)、ことに七月の地蔵会には諸願成就を願う庶民で賑わった(浄家寺鑑)境内は朱印地で寺領高六石五斗余、寺地は北側一四間、南側四〇間、東側二四間、西側五九間であった(京都御役所向大概覚書)


石像寺
せきぞうじ

[現在地名]市島町中竹田 岩倉

東は下竹田しもたけだ、南は上竹田を見渡せる高台に位置する。曹洞宗、正法山と号し、本尊薬師如来。「丹波志」は法道の開基と伝え、斉明天皇元年(六五五)建立とする。天正年間(一五七三―九二)明智光秀の兵火に遭い焼失、現存する本堂は正保二年(一六四五)円通えんつう(現氷上町)二〇世透関本徹により再建されたもの。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の石像寺の言及

【石仏】より

… 鎌倉時代には前代に流行した凝灰岩製磨崖仏の製作は減り,かわって花コウ岩,安山岩など硬質の石材を用いた高肉彫,丸彫の像の製作が盛んになった。京都府石像寺の元仁元年(1224)銘の三尊像は,三尊を1石1体ずつ丸彫に近い高肉彫であらわし,この時代の石仏の傾向をよく示している。他に群馬県不動寺不動明王像(凝灰岩,丸彫)などがあり,大型の石室構造をもつものに奈良市十輪院石仏龕(花コウ岩)がある。…

※「石像寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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