石坂村(読み)いしざかむら

日本歴史地名大系 「石坂村」の解説

石坂村
いしざかむら

[現在地名]鳩山町石坂・まつおか一―四丁目・かえでおか一―四丁目・はとおか一―二丁目

岩殿いわどの丘陵の主峰、物見ものみ山の南麓に位置し、現鳩山町の東端を占める。南は越辺おつぺ川を境に入間いるま金田かねだ(現坂戸市)など、西は赤沼あかぬま村・大橋おおはし村、東は田木たぎ(現東松山市)。建治三年(一二七七)一月、鎌倉幕府は亡父時賢の遺領比企郡南方石坂郷内田在家」をめぐる駿河彦四郎有政と姉弥鶴との相論に裁許を下し、石坂郷内の恵加佐次郎在家・同田一町五反および右衛門太郎在家・同田一町については、譲状の旨に任せて弥鶴の領知を認めている(同年一月日「関東下知状」朽木文書)。元徳二年(一三三〇)九月二二日、平顕盛は「ひきのこをりの内いしさかの村」などを養子「まんしゆ丸」に譲り(「平顕盛譲状」同文書)、翌年六月二〇日、幕府はこれに外題を与えて安堵している。なお「まんしゆ丸」は朽木時綱の子経氏と推定される。小田原衆所領役帳によると江戸衆の小菅大炊助の所領として「三貫文 入西郡石坂」があり、弘治元年(一五五五)検地が実施されていた。

田園簿では田高四三石・畑高三七石。旗本横田家二家の相給。以後、この二家の相給で幕末に至ったと思われる(「風土記稿」「郡村誌」など)


石坂村
いしさかむら

[現在地名]金沢市野町のまち二丁目・同四―五丁目・増泉ますいずみ一丁目

金沢城下の南西、犀川下流西岸に形成された平地に位置する。「いっさか」ともよんだ。城下に近接していたことから、早くから相対請地などによる町場化が進み、こうした地域はのちに町奉行支配に移行、村域は徐々に縮小している。冷泉為広の「越後下向日記」によれば、細川政元と同道して越後へ向かった為広らは延徳三年(一四九一)三月一二日、米泉よないずみの洲崎慶覚宅を立ち、「石坂」を経て犀川を渡っている。正保郷帳では高六八石余、田方三反余・畑方四町二反余。


石坂村
いしさかむら

[現在地名]富山市石坂

神通川左岸の低地、うしくび用水と神通川が最も接近した場所で、同用水の東に位置。東は四ッ屋よつや村、北は石坂新村。神通川の東遷によってできた川跡を開墾したといわれ、村名は一帯が石原で坂が多かったことに由来するという。婦負郡に属し、寛永一六年(一六三九)以降富山藩領。寛永一〇年の牛ヶ首用水管理約定書(牛ヶ首用水土地改良区蔵)に肝煎介左衛門の名がみえ、早くから開かれていた。


石坂村
いしざかむら

[現在地名]小谷村大字中小谷なかおたり 石坂

ひめ川左岸に位置し、四面を山に囲まれた山村である。村を貫流するうら川の上流にある稗田ひえだ山が明治四四年(一九一一)に崩落し、その砂泥流の山津波によって江戸時代以来の人家は全滅に近い被害を受けた。

石坂村の南に千速ちはや城とよぶ古城跡があり、小谷七騎の一人細野氏の祖の丸山盛秀の居城と伝える。享保一一年(一七二六)当時の石坂村枝郷には、宮本みやもとくだ池原いけはら北野きたの高車たかぐるま湯原ゆばら日道ひどう石原いしはら奈良尾ならお柴原しばはらがあったが、これら枝郷の多くは他村の枝郷と入り交じって小谷の各地に分散所在している。


石坂村
いしさかむら

[現在地名]志雄町石坂

子浦しお川に流入する向瀬むこせ川の開析谷に沿う村で、河岸段丘上に集落がある。鎮守の白山神社の社伝(明治神社明細帳)によると当村は杉野屋すぎのや村吉信という者が開拓、文永(一二六四―七五)頃村落を形成したという。北東部のほうくら(一六三メートル)三尾坂さんのおざかに住んでいた豪族の宝物庫があった所と伝え、馬場ばんば祈祷屋敷きとうやしき御屋敷おやしきの地名もその豪族にかかわるものという。正保郷帳によると高二四〇石余、田方九町余・畑方六町九反余、免四ツ八歩。


石坂村
いしざかむら

[現在地名]立山町石坂

福田ふくた村の南東に位置し、東は高原上白岩たかはらかみしらいわ村、南は下沢しもざわ村。伝承では寛永年間(一六二四―四四)上白岩村甚五郎が開村したというが、正保郷帳に村名はみえない。明暦二年(一六五六)の村御印留に村名がみえ、寛文一〇年(一六七〇)の村御印では草高四六石、免三ツ五歩、明暦二年の新田高六石(三箇国高物成帳)


石坂村
いしざかむら

[現在地名]富士市石坂・広見西本町ひろみにしほんちよう広見本町ひろみほんちよう広見東本町ひろみひがしほんちよう

今泉いまいずみ村の北西に位置する。慶長四年(一五九九)九月の横田村詮所付覚写(大宮司富士家文書)に村名がみえ、高二二石余、富士浅間社(富士山本宮浅間大社)領であった。寛永九年(一六三二)幕府領となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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