デジタル大辞泉 「石幢」の意味・読み・例文・類語 せき‐どう【石×幢】 石塔の一。六角または八角の石柱と、仏龕ぶつがん・笠・宝珠などからなる。中国から渡来し、日本では室町時代以降のものが多い。[補説]平成23年(2011)に断面が七角形の石幢が長野県で見つかる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「石幢」の意味・読み・例文・類語 せき‐どう【石幢】 〘 名詞 〙 石造建築物の一つ。六角柱または八角柱の幢身と龕(がん)部・笠・宝珠などから成る。中国のものは複雑な構成のものが多いが、日本では石灯籠の火袋(ひぶくろ)のところが仏龕になった形のものが一般的で、さらに簡略なものもある。中世の遺物が多い。〔盧綸‐酬暢当嵩山尋麻道士見寄〕石幢〈東京 普済寺〉 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「石幢」の意味・わかりやすい解説 石幢 (せきどう) 幢は旗章を意味し,インドではこれを石面に表してストゥーパや仏殿の前に立てた。中国へは唐・宋時代に伝わり,蓮華座の基台の上に《仏頂尊勝陀羅尼経》を刻んだ八角の長い石柱を立て,その上に中台,仏龕(ぶつがん),笠,宝珠をのせた大理石製の石造物をつくることが流行した。日本にもこの形式の石造物が導入されたが,幢柱に経文を刻まず,地蔵信仰と結び付いて幢,仏龕ともに六角につくられ,一見石灯籠に似た小型のものが多くつくられた。全国的に分布するが,九州北部を中心に例が多い。このほか関東では,長方形の青石の板石を6枚組み合わせた上に笠をのせた,単制の石幢がみられる。→経幢(きょうどう)執筆者:坪井 清足 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報