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石鍋 いしなべ

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

いしなべ【石鍋】

石製の鍋形、または釜(かま)形の容器。軟質の石材を使い、厚手のものが多い。熱が均等に伝わり、かつ冷めにくい。石焼きビビンバや鍋料理に用いる。

出典|講談社
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世界大百科事典 第2版の解説

いしなべ【石鍋】

滑石でつくった直径20~30cm,深さ10cmほどの鍋。体部上方に鍔のめぐるものと把手のつくものとがある。近畿以西の平安時代後半から室町時代にかけての官衙遺跡,集落遺跡から出土する。外面にすすが付着しているので,実用に供されたことは確かであるが,詳しい用途はまだわかっていない。長崎県西彼杵半島には石鍋をくりぬいた痕跡を残す滑石露頭が各所にみられ,当地が石鍋の主要な生産地であったことを知りうる。国の史跡の大瀬戸町ホゲット遺跡はその代表的なもので,1979年の長崎県教育委員会の調査により,11ヵ所におよぶ製作跡がここに集中していることと,切り立った滑石露頭がまず碁盤目状に区切られ,その各区画から一つずつ石鍋をえぐりとるという整然とした製作工程とが明らかにされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石鍋
いしなべ

滑石、ろう石、雲母片岩(うんもへんがん)、石綿などの岩石でつくった鍋形ないし釜(かま)形の石製什器(じゅうき)。一般に数センチメートルの厚みのある厚手のものが多く、口頸(こうけい)部に釜のように鍔(つば)状の突帯をめぐらすものもある。長崎県西彼杵(にしそのぎ)半島方面に製造址(し)があり、この地方に出土例がもっとも多いが、長崎、佐賀、福岡、熊本県や、五島列島、壱岐(いき)、対馬(つしま)、朝鮮半島南部にも出土例がある。石鍋は弥生(やよい)文化以降、古墳時代以後もつくられたと思われるが、年代の上限と下限は不明で、高良山(こうらさん)(福岡県久留米(くるめ)市)などの神籠石(こうごいし)遺跡内からも発見されている。[江坂輝彌]

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