磁気変光星ともいう。数千ガウスの磁場をもち,かつその強さが1日~数十日の周期で変化する星。磁場の極性が反転する星もある。1946年以来約50個が発見されている。すべてA型の特異星(表面温度が7000~1万2000Kで,ケイ素Si,クロムCr,ストロンチウムSr,ユウロピウムEuなどのスペクトル線が異常に強い星)であり,磁場の変化とともにこれらの元素の含有量も周期的に変化するように見えるものが多い。強い磁場の存在と特異な元素の過剰な存在との関連性については諸説があるが,その一つとして,磁場が気体の自由な拡散混合を妨げるので,特別な原子やイオンが光の放射圧を受けて星の上層だけに集まりやすいという考えがある。磁場や化学組成の周期的変化については,星の表面でこれらの分布が一様でなく,斑紋状をなしており,星の自転によって表面のいろいろな部分が順次観測者の視界に現れるという〈斑紋自転モデル〉の説が有力であるが,これだけでは説明できない現象もある。
執筆者:大沢 清輝
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…A型特異星には数千ガウスから,なかには数万ガウスに及ぶ磁場の観測される星がある。一般に自転に伴う周期的な強度変化が見られ磁変星と呼ばれる。フレア星などのM型矮星では表面の相当部分を極性の違う二つの超大黒点が覆っていると考えられ,またある種の白色矮星やパルサーとして観測される中性子星には,それぞれ106~1012ガウスにも及ぶ強大な磁場があるものと考えられている。…
…食変光星は,二つの星が連星系を作っていて,その共通重心のまわりに軌道運動しているのだが,たまたま軌道面が観測者の視線に近い方向を向いている場合,ちょうど日食のとき月が太陽を隠すように二つの星が交互に相手の星を隠す食現象によって,周期的に明るさが変わる星である。そのほか,磁変星も幾何学的変光星の仲間に入れることができよう。磁変星は磁場が観測されていて,磁場の強さが周期的に変化する星である。…
※「磁変星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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