神子元島(読み)みこもとじま

日本歴史地名大系 「神子元島」の解説

神子元島
みこもとじま

下田港の南約一〇キロの海上に浮ぶ周囲およそ四キロの小島最高点標高五六・六メートルで、白浜層群に属する輝石安山岩質火山角礫石からなる無人島である。周囲は岩礁が多く、アジイシダイなど釣の名所であるとともに古来航路の難所でもあった。神児元島かみこもとじま神社がある。慶応二年(一八六六)江戸幕府は米・英・蘭・仏四ヵ国と締結した改税約書により全国に八つの灯台を建設することになり、その一つが当島につくられた。工事はイギリス人R・H・ブラントンの設計により明治二年(一八六九)着工、翌年に完成。同年一一月に初点灯されている。灯台は下田鵜島うじま恵比寿えびす崎から伐り出された伊豆石を使用した石造円形白色仕上げで、石の接合には梨本なしもと(現河津町)石灰岩が使用された(明治二年「諸御用日記」下田市有文書など)

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改訂新版 世界大百科事典 「神子元島」の意味・わかりやすい解説

神子元島 (みこもとじま)

静岡県伊豆半島南端,下田港の南方約10kmにある島。下田市に属するが,無人。周囲約4km,最高点の標高は57m。安山岩質の岩礁島で磯釣りで知られる。島には円形石造の灯台(灯高51m,光達距離19カイリ)があり,1870年(明治3)建造の県下最古の洋式灯台で,国の史跡に指定されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神子元島」の意味・わかりやすい解説

神子元島
みこもとじま

静岡県東部,伊豆半島南部下田港の南方約 10kmにある無人島。周囲約 4km。下田市に属する。明治3 (1870) 年に竣工した灯台は日本最古の洋式灯台の1つで,史跡。周辺海岸は磯釣りの好適地。私有地のため渡島には許可が必要。富士箱根伊豆国立公園に属する。

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デジタル大辞泉プラス 「神子元島」の解説

神子元(みこもと)島

静岡県下田市、石廊崎の南東約10kmにある無人島。1871年竣工の日本最古の洋式灯台のひとつ、神子元島灯台がある。

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